■■ 収入/付随事業収入(前:事業収入)
2012年01月23日
【教管区分】補助活動事業の経費
<Q>校内売店など補助活動事業を純額表示から総額表示に変えたいのですが、経費の教管区分がよくわかりません。
<A>
基準では、食堂、売店、寄宿舎等教育活動に付随する活動を補助活動事業と言っています。 補助活動事業の収支については、原則、総額主義なのですが、純額表示も認められています(基準5条但し書き)。
補助活動事業の収入は、事業収入(大科目)の補助活動収入(小科目)となるのですが、原価や経費の表示が学校会計のルールは、ちょっと不明瞭に思いますが、あえて整理するとこんな感じです。
結論を先に書きます。説明は後からです。
補助活動事業の種類 |
経費の教管区分 |
食堂、売店、 寄宿舎(一部学生用) |
管理経費 (考え方)全員参加が義務でない。 |
寄宿舎(全寮制) |
教育研究経費 (考え方)全員参加が義務なので、教育研究経費としている。 |
(小科目新設)公開講座収入 |
教育研究経費 (考え方)特別な教育補完事業で、小科目を新設し別の事業性を強調した。 |
幼稚園の給食、スクールバス |
全員参加→教育研究経費(教育の一環) 一部参加→管理経費 (考え方)食育、安全教育と言うような教育的意味を考慮した。 |
<解説>
学校会計で決まっている公式ルールを整理します。
■文部省通知(「教育研究経費と管理経費の区分について」昭和46年。雑管第118号)
次の各項に該当することが明らかな経費は、これを管理経費とし、それ以外の経費については主たる使途に従って教育研究経費と管理経費のいずれかに含めるものとする。
(抜粋)6.補助活動事業のうち食堂、売店のために要する経費
■会計士協会の追加説明(「教育研究経費と管理経費の区分について」昭和61年。学校法人会計問答集(Q&A)第6号)
整理して、図表で説明します。
補助活動事業の種類 |
経費の教管区分 |
(1)食堂、売店、寄宿舎等の事業 (2)税務上は収益事業と考えられるが、寄付行為で収益事業として定めていない事業 |
【質問4】 (1)食堂、売店及び全寮制以外の寄宿舎に係る経費(支出)は管理経費(支出)とし、全寮制寄宿舎に係る経費(支出)は教育研究経費(支出)とする。 (2)上記(1)でいう全寮制とは、教育研究目的により1年生全員の寄宿を義務付ける等の場合をいうのであって、単に遠隔地からの学生の一部に対して寄宿舎を用意しておく場合は含まれない。 (3)上記(1)、(2)以外の補助活動事業に係る経費区分は寄宿舎事業の区分の考え方を準用する。 |
(3)学校教育のカリキュラムの中では、取り扱われていない公開講座・課外講座等のような教育補完事業等 ・公開講座収入 |
【質問6】 学校教育の補完として考えられるような事業で、かつ、事業収入(大科目)の中に補助活動収入とは別の小科目(例えば「公開講座収入」)を設けてその科目で収入を処理しているものについては、質問4の取扱いを適用せず、教育研究経費(支出)処理を認めるものとする。 |
(4)幼稚園の給食、スクールバス |
【質問7】 給食事業もスクールバス事業も、いずれの事業もそれなりに教育的意味を持っていることを考慮すると、質問4の取扱いをそのまま適用することには大変難しい問題を含んでいるのは質問6と同様である。給食事業やスクールバス事業の教育性の有無については、種々の主張があり、その性格付けは難しいところであるが、今回の実務問答集は、経費(支出)の区分の割り切りにあるので、これらの事業についても質問4の取扱いと同様に考えている。 |
2011年03月28日
【まとめ】給食の会計処理
<Q>設置校から給食費の会計処理を聞かれました。給食費の会計処理をまとめて教えてください。
<A>給食費収入は代表的な事業収入の補助活動収入ですが、設置校によっては学納金収入や預り金収入のこともあります。
1. 補助活動収入
一番、多い会計処理が補助活動収入です。
学校法人会計基準でも、補助活動収入は「食堂、売店、寄宿舎等教育事業に付随する活動に係る事業の収入を言う」としています。(別表第1。別表第2)
補助活動事業の会計処理には、総額表示と純額表示があります。(学校法人会計基準第5号)
<総額表示>
消費収支仕訳
収入
(借)現 金預 金 ○○○ (貸)補助活動収入 ○○○
支出
(借)補助活動収入原価 ○○○ (貸)現金 預 金 ○○○
東京都では、補助活動収入の代わりに給食費収入の表示を求めています。
<純額表示>
収入超過の場合→補助活動事業収入
支出超過の場合→補助活動事業支出
なお、経費の会計処理は、給食事業の教育性の有無については、いろいろな見解があるようです。ここでは、在校生を全員に給食が義務化されている場合は、教育研究経費で問題ないのですが、そうでない場合は管理経費に考えます。
2.学生生徒等納付金収入
在校生の全員を対象に給食を教育の一環として行って給食費を取っている場合は、学生生徒等納付金収入の場合もあります。
従来は、給食事業の教育性については、いろいろな見解があったようです。ただ、現在は、文科省通知(「幼稚園における給食の提供及びスクールバスの運用に係る消費税の取扱いについて(通知)」18初幼教第11号・H19.1.19)により,幼稚園における食育や安全確保の観点から,幼稚園においては給食代を授業料(保育料)として徴収する場合があることをあげています。
3.預り金の場合
取引実態が、給食業者と生徒・園児(保護者)各々との取引であるという状況で、便宜上、学校・幼稚園が集金代行しているというのであれば、「預り金」処理も考えられます。
2011年02月21日
【高校】補助活動事業の実際
こんにちは! 今日は、高等専修学校の事務長からのご質問です。
<Q>事業収入のうち補助活動事業がピンと来ません。具体的に説明してください。
<A>
まず、学校法人会計基準で説明すると「補助活動事業とは、食堂、売店、寄宿舎等教育活動に付随する活動に係る事業の収入と言う(別表第2)」となっています。
・売店での販売
・制服の販売
・学生食堂での販売
・学生生徒料の寮費収入
・バザーによる販売
・スクールバス収入
・学校主催の音楽会の収入
等があります。
補助活動事業の会計処理については、日本公認会計士協会から指針が出ています(委員会報告第22号「補助活動事業に関する会計処理及び表示並びに監査上の取扱いについて)。ここでのポイントは、
1.補助活動事業も一般会計と合併して計算書類を作る。
2.補助活動事業の表示の総額表示と純額表示がある。
3.貸借対照表科目については各資産科目、負債科目に含めること。
2010年11月15日
【大学】科研費補助金の間接経費の取扱い
<Q>研究代表者から学校に納付された間接経費の会計処理を教えて下さい。
<A>科研費の会計処理については、事業団の問答集(※)に詳しいので引用しながらご説明いたします。
※「学校法人の経営に関する実務問答集(第2次改訂版)Q31」日本私立学校振興・共済事業団
1.間接経費とは
間接経費とは、科学研究費補助金による研究を行う際に、研究代表者が所属する研究機関が研究遂行に関連して必要とする経費であり、科学研究費補助金を効果的・効率的に活用できるようにするため、研究の実施に伴い研究機関において必要となる管理等に係る経費を直接経費に上積みして措置されるものです。
2.会計処理
科学研究費補助金における間接経費は、直接経費と合わせて研究代表者又は研究機関の代表者(以下「研究代表者等」という〉に交付されることになることから、会計処理上は、従来と同様「預り金」として学校法人会計を経由して研究代表者等に交付することになり、その後、研究代表者等は間接経費分を所属する学校法人に納付することとなります。
したがって、学校法人は、研究代表者等から納付された間接経費について帰属収入として学校法人会計に計上する必要があります。
計上に当たっては、補助金上の法的関係が適用されるのは、文部科学省又は日本学術振興会と研究代表者等との間であり、研究代表者等から学校法人に納付された間接経費は補助金としての性格を有していないことから、その受入科目は「補助金(収入)」ではなく「雑収入」に計上するとともに、小科目として例えば「科研究関連収入」等の科目を別途設けて処理するのが妥当です。
なお、学校法人に納付される間接経費については、適正な執行と使途の透明性を確保することが求められており、その使用実績については、文部科学省に報告することとされていることに留意する必要があります。
2008年03月31日
【補助活動収入】2つの会計処理の方法がある!
こんにちは! 今日は、食堂、売店、スクールバスなどの補助活動事業のご質問です。
<Q>当中学では、生徒のためにスクールバスを運営しています。食堂の収入は、補助活動事業になりますが、会計処理は、総額法と純額法のどちらを選ぶべきですか?
<A>
本来は、会計処理は総額主義が原則なのです(基準5条)。しかし、補助活動事業については、純額表示も認められています(基準第5条但書)。
どちらの方法を採用すべきかは、各学校が判断することであり、特にこちらにしなさいと言うことはありません。
なお、「その他の重要な会計方針」で補助活動事業の収支を純額表示している旨の注記をしている場合には、収支相殺の範囲及び金額を注記することが必要になります。
2008年03月24日
2008年03月17日
2008年03月10日
2008年03月03日
2008年02月25日
2008年02月18日
2008年02月11日
【事業収入】事業収入って何?
<Q>学校の計算書類には、事業収入ってありますが、どんな内容の収入ですか?
<A>
事業収入というのは、基準で定められているのですが、教育活動に付随する収入(補助活動、附属事業、受託事業)と、直接利益を得ることを目的とする収入(収益事業収入)を言います。
より詳細は、
記載科目 |
内容 |
(1)補助活動収入 |
食堂、売店、学校給食、寄宿舎、スクールバス等教育活動に付随する活動収入 |
(2)附属事業収入 |
病院、農場、研究所等の附属機関の活動収入 |
(3)受託事業収入 |
外部から委託を受けて行う試験、研究等の収入 |
(4)収益事業収入 |
寄付行為に記載された収益事業会計からの繰入収入 |
(学校法人会計基準・別表1、2)