2025年12月17日
寄付金収入を現金主義で計上する理由
<Q>寄付金収入を現金主義で計上する理由
寄付金収入は、現金主義で計上する根拠と理由を教えてください。
<A>
学校法人会計において、寄付金収入は原則として「寄付金品の受領日」に属する年度に計上する現金主義が採用されています。これは、寄付金の任意性や不確実性に対応し、会計の保守性と財務情報の適正性を確保するためです。
<説明>
1. 現金主義の理由
寄付金収入を現金主義で計上する主な理由は、寄付金が持つ性質上の不確実性に対応し、会計上の健全性を確保するためです。
(1)寄付の約束だけでは確実ではないから
寄付金は、補助金のように交付決定に基づくものではなく、寄贈者の任意的な意思によるものです。そのため、寄付の申込みがあっても、実際に金銭や物品が受領されるまでは、学校法人にとって確実な収入とは言えません。
(2)保守的な会計処理
寄付金は債権としての法的裏付けがないため、未収入金として計上することは適切ではありません。まだ受け取っていない寄付金を「収入」として記録してしまうと、実際よりも支払資金が多いように見えてしまいます。これでは、学校の財務状況が正しく伝わりません。そこで実際に現金預金が移転した時点で収入として認識する保守的な処理が求められます。
2. 根拠条文など
学校法人会計基準(省令)には、寄付金収入を現金主義で計上することを直接的に定める条文はありません。しかし、その具体的な会計処理の原則は、以下の実務指針39号「寄付金収入に関する実務指針」に定めがあります。
(1)原則的な取り扱い
寄付金収入の帰属年度は、「寄付金品の受領日の属する年度」とされており、「寄付の申込みがあった場合でも未収入金による計上は妥当な処理として認められない」と明確に定めています。
(2)例外的な取扱い
翌年度入学予定の学生・生徒に係る寄付金については、所轄庁の指示がある場合に限り、受領年度に「前受金収入」として計上し、翌年度の事業活動収入とすることが認められています。ただし、この場合も「受領日」が会計処理の起点となります。
今日は、ここまでです。
