2025年12月05日
【私学法】会計監査人の任意設置
<Q>【私学法】会計監査人の任意設置
地方の知事所轄の学校法人ですが、自主的に会計監査人の設置を評議員会で決議しました。この場合、従来と学校運営の異同でどのような相違が出てきますか?
<A>
会計監査人を自主的に設置することにより(私学法18条2項)、学校運営(特に財務管理およびガバナンス)の面では、財務諸表(計算書類およびその附属明細書)に対する専門的な第三者監査が義務付けられ、透明性と外部監督が大幅に強化されます。これにより、従来の監事による監査に加えて、会計専門家による二重のチェック体制が構築されます。
<説明>
会計監査人を自主的に設置する学校法人(会計監査人設置学校法人)となった場合、従来の監事(以下「監事」)のみによる監査体制と比較して、主に以下の点で相違が生じます。
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項目 |
従来 (会計監査人設置前) |
会計監査人設置後 (自主的設置) |
私学法 |
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機関の設置 |
理事、理事会、監事、評議員、評議員会、理事選任機関を設置 |
上記に加え、寄附行為の定めに基づき会計監査人を置く |
18条1項目、2項 |
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会計監査の主体 |
計算書類等は監事の監査を受ける |
計算書類およびその附属明細書は、監事及び会計監査人の監査を受けなければならない |
104条1項、2項 |
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会計監査人の職務 |
該当なし |
計算書類等、財産目録その他の文部科学省令で定めるものを監査する |
86条1項、施行規則24条 |
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理事会による承認 |
監事の監査報告を踏まえて計算書類等の承認を行う |
監事の監査報告と会計監査人の会計監査報告の両方を踏まえて計算書類等の承認を行う |
104条3項 |
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評議員への提供 |
監査報告を提供する |
計算書類等、監査報告に加えて会計監査報告も評議員へ提供しなければならない |
105条1項 |
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帳簿の備置き |
計算書類等および監査報告を備え置く |
計算書類等、監査報告に加えて会計監査報告も備え置く必要がある |
106条1項 |
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第三者の閲覧権 |
債権者や在学者などの利害関係人は、計算書類等や監査報告の閲覧を請求できる |
上記に加えて、会計監査報告も閲覧・謄本等の交付請求の対象となる |
106条3項、4項 |
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損害賠償責任の対象 |
役員または評議員が任務を怠った場合 |
役員、評議員に加えて、会計監査人も任務懈怠による損害賠償責任を負う |
88条1項 |
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責任追及の訴え |
役員または清算人の責任追及の訴えの提起 |
役員、清算人に加えて会計監査人の責任を追及する訴えの提起を求めることができる |
140条1項 |
今日は、ここまでです。
