2025年10月20日
計算書類の順番変更
<Q>
新会計基準は、計算書類の順番が変わりましたが、どうして順番がかわったのですか?
<A>
新基準は、私学法の会計基準です。そこで、この計算書類の順番は、改正後の私立学校法第103条第2項に掲げられる規定の順番と一致するように統一されました。
<説明>
新会計基準において計算書類の順番が変更された主な理由は、学校法人会計基準の根拠法と目的が変更されたことにあります。
1. 従来の会計基準とその目的
改正前の学校法人会計基準は、私立学校振興助成法を根拠としており、その主な目的は所轄庁による補助金の適正配分を確保することでした。
2. 新会計基準の根拠と目的
新しい学校法人会計基準は、私立学校法に根拠を移し、その主な目的はステークホルダー(利害関係者)への情報開示を目的としています。
3. 計算書類の順番の統一
この目的の変更に伴い、作成が求められる計算書類(計算関係書類)の順番が、以下の順序で統一されました。
・貸借対照表
・事業活動収支計算書
・資金収支計算書
・活動区分資金収支計算書
この計算書類の順番は、改正後の私立学校法第103条第2項に掲げられる規定の順番と一致するように統一されています。
そして、私学法103条第2項の定めは、「同様の規定は、会社法第435条にその例を見る。」と解説本(松坂先生逐条解説p653)にあることから、103条2項は、もともとは会社法を参考にしているようです。
•計算書類:貸借対照表、事業活動収支計算書、資金収支計算書、活動区分資金収支計算書。
•附属明細書:固定資産明細書、借入金明細書、基本金明細書。
•財産目録。
(注)旧基準で作成が求められていた「事業活動収支内訳表」「資金収支内訳表」「人件費支出内訳表」は、新基準では計算書類から除かれ、私立学校振興助成法に基づく書類として位置づけられています。
参考にした文科省のパブコメ結果です。
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3.計算書類について(総論) ・主な意見の概要 貸借対照表、事業活動収支計算書、資金収支計算書との表示順について、貸借対照表は事業活動収支計算書、資金収支計算書の後が良いと考えます。 貸借対照表の重要性を否定するものではありませんし、貸借対照表をトップにす ることは、他の事業体との整合等、見やすさの点からも当然であると言われるもの と思っています。 しかし、学校法人は財産目録をも公開(開示)書類とされること、さらに、学校 の実態は財産の公表より事業の状況を公表し説明することの方が重要であると考 えます。 ・文部科学省の考え方 計算書類の規定順序については、私立学校法第103条第2項に規定する計算書類の定義(計算書類(貸借対照表及び収支計算書をいう。以下略。))に沿ったものとしました。 |
今日は、ここまでです。
