2025年10月14日
【注記】セグメント情報の注記
こんにちは!今日は、単一校の高校法人の経理の方からのご質問です。
<Q>セグメント情報の注記
下記は、セグメント情報の注記例ですが、「一のみ」を言う表現が不自然に感じるのですが、どういう意味ですか?
【注記例】
8.セグメント情報
設定すべきセグメントが、セグメント「その他」以外に一のみであるため、省略している。
<A>
ご質問の注記例は、学校法人会計基準において定められているセグメント情報開示に関する標準的な注記の形式です。
この注記は、主要な事業セグメント(学校、病院など)が「その他」の管理部門以外に一つしかないため、詳細なセグメント情報の開示が省略されていることを示しています。
<説明>
この注記における「その他」以外に「一のみ」という表現は、会計上の開示義務を果たす上で、当該学校法人が実質的に運営している主要な事業セグメントが「一つしかない」ことを意味し、詳細なセグメント情報の表示を省略するための理由を述べています。
1.セグメント情報の背景
セグメント情報とは、学校法人の経営状況をより正確に判断するために、事業活動における構成単位(学校、附属施設などの部門)別の収支の内訳を表示する注記項目です。
新しい学校法人会計基準では、計算書類の注記事項の一つとしてセグメント情報が義務付けられています。
2.セグメントの区分と「一のみ」の意味
学校法人会計基準では、事業活動収支計算書の部門別の情報表示として、主に以下のセグメントが想定されています。
1.大学
2.短期大学
3.高等専門学校
4.幼稚園、小学校、中学校、高等学校、専修学校、各種学校等(上記1〜3以外の学校種)
5.病院
6.その他(学校法人部門、病院以外の附属施設など、
上記1〜5のいずれにも該当しない部門の収入・支出)「設定すべきセグメントが、セグメント「その他」以外に「一のみ」である」とは、学校法人が展開する教育研究活動や関連事業において、上記の1〜5の分類のうち、主要な事業活動がたった一つの分類にのみ該当している状態を指します。
例えば、一つの大学のみを運営しており、その他の管理業務(学校法人部門など)はすべて「その他」セグメントに分類されるようなケースが該当します。
3.省略の理由
このように、主要な事業活動が「その他」セグメント以外に一つしかない場合は、詳細なセグメント情報を開示しても、法人の総体の情報と比べて大きな追加情報が得られないため、その旨を注記に記載することによって、セグメント情報として具体的な数値の表示を省略することが認められています。
「一のみ」という表現は、文字通り「一つだけ」という意味で、会計の文脈において、複数のカテゴリの中で該当するものが一つしかない状況を簡潔に表現するために用いられています。
なお、「その他」セグメントが「学校法人部門」のみで構成される場合、学校法人の判断により、セグメント名称を「その他」に代えて「学校法人部門」とすることも可能です。
今日は、ここまでです。