2025年07月22日
【引当金】賞与引当特定資産の要否について?
<Q>【引当金】賞与引当特定資産の要否について?
賞与引当金を計上したら同額の賞与引当特定資産を計上すべきでしょうか?
<A> 賞与引当金に対応する特定資産(賞与引当特定資産)を計上すべきかどうかは、法的義務ではなく、会計方針や資金管理上の判断による任意の対応です。
<説明>
1. 学校法人会計基準上の取扱い
学校法人会計基準では、第11条第2項で引当金の4要件に該当する場合、賞与引当金は引当金として負債に計上することとされています。
しかしながら、対応する特定資産の計上は義務付けられていません。
一方で、退職給付引当金等に対しては、特定資産(退職給付引当資産)を計上する法人もあります。この慣例を踏まえ、賞与についても同様に資金の裏付けを確保したいと考える法人もあるでしょう。
2. 資金管理の透明性
賞与引当金のみを計上し、資産側に裏付けがない場合、実際の支払資金の所在が不明確になりがちです。
特定資産として賞与引当特定資産などを設定すれば、将来支払の資金原資を確保していることを外部にも明示できます。
3. ガバナンスと資金流用防止
特定資産として区分管理することで、他目的への資金流用を防止する効果があります。
特に評議員会や理事会から財務運営の健全性について問われる場面では、資産側の設定が説明責任を果たす材料になります。
4.結論
賞与引当金の支払い義務に対して引当特定資産を組入れることは財務的には望ましいと言えるでしょう。
しかしながら、文科省の新基準説明会資料p42では「流動負債の部に計上する賞与引当⾦に対応した⽀払資⾦の資産計上科⽬については、固定資産に特定資産「賞与引当特定資産」として計上するよりも、流動資産(例:現⾦預⾦、有価証券)として計上することの⽅が、貸借対照表における流動資産と流動負債の対⽐の観点から有⽤と考えられます。」との見解があります。
最終的には、文科省の説明資料を盲目的に指示するわけではありませんが、賞与は通常毎年発生するものであり、支払い財源は現金預金で保持しておけば十分でしょう。
今日は、ここまでです。
