2025年06月23日
施設利用権と備忘価額の有無
<Q>施設利用権と備忘価額の有無
電気ガス供給施設利用権や水道施設利用権の償却が終わります。備忘価額は付けて残すのでしょうか?
<A>
電気ガス供給施設利用権や水道施設利用権とも学校会計では、(大科目)無形固定資産に計上される施設利用権になります。
減価償却の備忘価額については、会計士協会の委員会報告28号で「(2) 有形固定資産の減価償却額の計算に当たっては、残存価額を零として行った場合であっても、妥当な会計処理として取り扱うものとする。この場合、最終年度に備忘価額を付するものとする。」とだけあり、無形固定資産には触れていません。ただ、備忘価額の説明が有形固定資産に限定されていることからも通常は、無形固定資産については償却後は完全償却で備忘価額を残しません。企業会計も同じです(企業会計原則第三
五D)。
<補足:常識的な心配事>
例えば水道施設利用権なら、水道事業者に対して施設整備費用を負担し、その施設を通じて水の供給を受ける権利のことです。これは、建物に上水道を引き込む際に支払う「水道加入金」などが該当し、学校会計では無形固定資産として扱われます。
この水道施設利用権は会計では税法を参考にして耐用年数15年で定額償却するのが一般的です。ただし、ここで大切なのは、「償却が終わる=権利が消滅する」わけではないという点です。これは、償却済の建物、車両、機器備品がまだまだ使えるのと同じです。
償却と権利の関係
償却 |
・償却はあくまで会計上の処理であり、資産の取得原価を耐用年数の期間で割り切って費用化するものです。 |
権利 |
・一方、水道施設利用権そのものは、物理的に消えるわけではなく、通常は水道の使用が継続される限り使えるものです。 |
今日は、ここまでです。
kaikei123 at 07:00│Comments(0)│