2025年05月28日
【決算理事会での質問2】2つの収支計算書
こんにちは!ある高校法人の決算理事会で、外部理事の方から質問がありました。
<Q>【決算理事会での質問2】2つの収支計算書
資金収支表と事業活動収支表で呼び方が異なり、資金収支表の収入には「〜収入」、支出には「〜支出」などが付くのが不思議に感じます。
例えば、
・前受金収入 → 「前受金」
・旅費交通費支出 → 「旅費交通費」
言い方の違いの意味がよく分かりません。
<A>
学校法人会計には、1年間の収支を計算する方法が2つあります。
・資金収支計算書
:主に現金預金の増減を記録するもので、学校法人会計基準ができる前の単式簿記時代の名残です。
・事業活動収支計算書
:純資産の増減を記録するもので、学校法人会計に複式簿記が採用されたことで誕生した「損益計算書」の学校法人版です。
資金収支計算書では、単式簿記で現金預金の増減を記録するため、「◯◯収入」「◯◯支出」となっています。今回の場合で言えば、「前受金収入」「旅費交通費支出」です。
もう一つの計算方法は、複式簿記を使います。この複式簿記で事業活動収支計算書と貸借対照表を作ります。こちらの科目名が、「前受金」「旅費交通費」です。
事業活動収支計算書は、本来は「事業活動計算書」というべきものなのですが、私学法で「貸借対照表と収支計算書を作れ」と言っているので、私学法に合わせる形で「収支計算書」の呼称を使っています。
今日は、ここまでです。
kaikei123 at 07:00│Comments(0)│