【私学法】評議員会での緊急動議の可否学校法人で赤字が好ましくない説明理由

2025年05月12日

補助金の返還命令

県補助金24388287今日は、ある県内の高校でのご質問です。他校でもたまに出てくる話題です。

 

<Q>補助金の返還命令

 令和6年度の決算で県から令和5年度分の補助金の返還命令30万円分がありました。該当する科目がないので雑費処理してもよいのでしょうか?

 

<A>

 前年度分の補助金の返還命令の会計処理については、2つのポイントがあります。

1.      過年度修正額か?

 前年度分の補助金の返還命令なので、過年度修正額になるか心配です。これに関しては平成25年基準改正時の文科省の運用通知を受けて公表された会計士協会の実務指針45で、「補助金返還額は、教育活動収支の管理経費に計上され、「特別収支」に計上されるものではない。補助金は、過年度において一旦確定し収受しており、その一部に返還があったとしても返還命令決定通知に従ったものであり、過年度の修正には該当しない。」(実務指針第452-5)と明記されています。そうすると、前年度の補助金の返還額の大科目は「管理経費」になることがはっきりしました。

2.      具体的な小科目

 先の実務指針では、大科目まではっきりしましたが、小科目までは明記されていません。そうすると、小科目は、雑費でも誤りとは言えないし、又は基準別表第一、第二(注)1.に従って適当な小科目を追加することも可能となります。

 ただ、私学事業団の実務問答集Q156で『「私立大学等経常費補助金に係る返還金は「(大科目)管理経費(支出)」「(小科目)私立大学等経常費補助金返還金(支出)」として計上することが妥当である。』とあることを参考にして「補助金返還支出金」の科目を使う学校も多く見られます。

 広場の主観が入りますが、おそらくこの実務問答集を参考した「補助金返還金支出」が学校法人会計の慣行になりつつあるため(関連:ここだけ新基準1条3)前年度の補助金の返還支出は、雑費処理でなく(大科目)管理経費(小科目)補助金返還金が綺麗でしょう。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00│Comments(0)

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