【新基準】当初予算での賞与引当金  【私学法】中期事業計画の作成と情報公開

2025年03月12日

当初予算の法律的な説明

説明25534673今日は、ある短期大学法人でのご質問です。

 

<Q>当初予算の法律的な説明

近々開催される予算評議員会で、予算の諮問について法律に沿った説明をしたいのですが、どのように説明したら良いでしょうか?

 

<A>

 寄附行為まで拝見していませんので、予算手続きについて私学法を根拠に一般的な説明をしてみます。なお、今月の予算評議員会は改正前私学法になります。参考までに新法の私学法での説明を書いておきます。

 

1. 現行法の予算(改正前私学法)

 現行法では、「学校法人は、毎会計年度、予算及び事業計画を作成しなければならない。」(45条の21項)と定められています。

 現行法は、予算について「理事長において、あらかじめ、評議員会の意見を聞かなければならない」(4211号)と定めています。予算の作成者と決定権限者については法定されていません。

 そこでまず予算書の作成です。学校法人の理事長は,「学校法人を代表し,その業務を総理する(371項)」との定めがあることから、理事長が予算を作成します。次に学校法人の理事長は,理事長が予算を作成し、評議員会の意見を聞くことになります。最後の予算の決定権限者については、法定されていませんが文科省の寄附行為作成例では、理事会決議が必要とされています(33条)。

 なお、現行の実務は、理事長が予算書を作成し理事会承認をえて、次に予算評議員会の諮問を受ける。そして、評議員会の意見を理事会に反映しながら再度予算理事会を開催し、学校法人の予算を確定されています。

 

2. 改正後の私学法

 改正法では、「学校法人は、毎会計年度、予算及び事業計画を作成しなければならない。」(99)と定められました。

 改正私学法では、現行法と異なって、予算の作成や変更を理事会の決議事項と明確にしました(3636号)。また、従来と同じように予算については、評議員会の事前諮問事項となっています(364項)。

 流れで言うと、「理事長が予算書作成→理事会決議(法定)→評議員会諮問(法定)→理事会決議で予算承認(法定)」となります。従って、予算作成から承認までの流れは、従来とほぼ同じなのですが、理事会の決議事項が明確になり、予算作成・承認の面においての学校法人のガバナンスが明確になりました。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00│Comments(1)

この記事へのコメント

1. Posted by 事務員A   2025年05月21日 14:14
5  理事会決議が2回必要とありますが、文科省の資料等だとどこかに記載はありますでしょうか?
 ご享受いただければ幸いです。

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