2025年01月31日
【新基準】事業活動収支計算書vs事業活動計算書
<Q>【新基準】事業活動収支計算書vs事業活動計算書
2024年9月30に公表されたパブコメ結果(提出意見の概要及び意見に対する考え方)について、良い意見だと思うのですが、文科省さんでは採用されない意見でした。何かわかりやすい計算書類にする改善策はありますか?
3.計算書類について(総論) 主な意見の概要
ステークホルダーは、事業活動収支計算書の文言から、その内容は事業活動の収支計算書と理解することでしょう。一般のステークホルダーは、収支と聞けば、通常は現金預金の収支と考えます。 ところが、省令案の「第二号様式(第31条関係)」を拝見すると事業活動収支計算書には、退職給与引当金繰入額、減価償却額、徴収不能引当金繰入額、徴収不能額など現金預金の収支でない項目が含まれており、ステークホルダーに大きな誤解を与え、公共性の高い学校法人として説明責任を果たすことが困難と考えられます。 事業活動収支計算書より、「収支」の文言を削除し、事業活動計算書とすることがステークホルダーに誤解を与えない情報公開と言えると考えます。 文部科学省の考え方 「収支」という用語について、現金預金の収支という捉え方があることは承知していますが、現行の学校法人会計基準及びそれに基づく学校法人会計の実務においては、ご指摘の退職給与引当金繰入額等の非現金収支項目を含めて「事業活動収入」「事業活動支出」という用語を用いており、改正後の学校法人会計基準においても「事業活動収支計算書」 を採用しています。 |
<A>
あくまでも「広場の事務局」の個人的な見解です。
事業活動収支計算書は、経理の専門でない学生・保護者などの利害関係者にとっては、収支の言葉を確かに現金預金と混同してしまいそうです。資金収支計算書との違いも判然としません。
わかりやすい計算書として参考になるのは社会福祉法人会計です。ここでは、学校法人会計の事業活動収支計算書を事業活動収支計算書と定め、ざっくりですが収入の文言を収益。支出の文言を費用に置き換えています。
|
学校法人会計 |
社会福祉法人会計 |
計算書類の名称 |
事業活動収支計算書 |
事業活動計算書 |
純資産の増加 |
収入 |
収益 |
純資産の減少 |
支出 |
費用 |
皆さんは、どちらの方がわかりやすいでしょうか。
今日は、ここまでです。