2025年01月16日
【内部統制】改正私学法で必要な内部統制システムの整備・充実
こんにちは!今日は、地方の短期大学法人でのご質問です。
<Q>改正私学法で必要な内部統制システムの整備・充実
改正私学法で内部統制が強化されますが、実務で最低限行うべきことは何ですか?内部統制の概念が難しく感じるので、簡単に説明して下さい。
<A>
改正私学法では理事会決議事項として、一般に内部統制と呼ばれるシステムの整備が定められました(改正法36条3項5号)。特に、大臣所轄学校法人等では、内部統制システムの整備が義務化されます(改正法148条1項)。それ以外の学校法人では、任意です。
内部統制については、従来の学校法人でも組織で学校運営をしている以上、以前から内部統制の仕組みはあります。今回の改正法では、その内部統制の概念を明確にして法人運営に落とし込もうというものです。内部統制の理論的な仕組みの説明は、どうも難しい説明が多いので、実務で必要な部分をまず理解していただければよいかと思います。
内部統制システムの明確化の大きなスケジュールと実施事項です。実施事項は、大きく3つに整理できます。
【2025年3月末までに行うべきこと】
1.理事会決議で、内部統制システムの整備に関する方針を決定する
理事会決議に内容統制の基本方針を決議する必要があります。理事会決議の必要な内部統制システムの具体的な内容は、私学法施行規則13条(学校法人の業務の適正を確保するための体制)にあります。
2.理事会決議で、内部統制システムに関わる諸規程を整備する
1の内部統制システムの基本方針に基づいて、内部統制に関係する必要な規程の整備をします。そう言っても従来の諸規程類でカバーできていることが多いです。従来より、法人運営や学校運営を組織で行っていましたので、意識していなかっただけで以前より内部統制システムは存在していました。ただ、従来の諸規程が完璧でないこともあるので、誰が実施すべきか決まっていなかったり、担当が重複していなかったかなどについて多少の見直しは必要になってくるでしょう。
<例>
・コンプライアンス規程・法令遵守マニュアルの作成
・理事会運営規則
・リスク管理規程
・理事職務権限規程
・職員の職務分掌規程
・組織規程
・内部通報規程
・監事監査規程
・個人情報保護規程 等
【2025年4月〜】
3.内部統制の基本方針や関連諸規程を各部署で運用していく。
そのためには、役員や教職員向けの研修の実施を行ったり、諸規程類の定めと実務に齟齬がないか改善を行っていくことになります。
今日は、ここまでです。