2024年11月11日
【人件費】今更ですが、教員人件費と職員人件費の区別は？！
こんにちは！今日は、ある大学法人の設置高校でのご質問です。
＜Ｑ＞教員人件費と職員人件費の区別
感覚的にはわかるのですが、実務では教員人件費と職員人件費の区別を明確に説明できません。教員と職員の区別の仕方を教えて下さい。
＜Ａ＞
教員と職員の区分は、意外と難しいです。例えば、教育法規では、教員の定義が法律により異なっています。学校会計は、特定の教育法規に従って教員を分けているわけではありません。そこで基本に戻り、まず、基準の確認です。基準の別表第二では、下記のような説明があります。
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小科目 |
備考 |
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教員人件費 |
教員（学長、校長又は園長を含む。以下同じ。）に支給する本俸、期末手当及びその他の手当並びに所定福利費をいう。 |
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職員人件費 |
教員以外の職員に支給する本俸、期末手当及びその他の手当並びに所定福利費をいう。 |
会計士協会の人件費関係等について（学校法人委員会研究報告第26号)Ｑ１では、もう少し説明があります。
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教員として所定の要件を備えた者について、学校（学校教育法第1条に掲げる学校、 同法第124条に掲げる専修学校及び同法第134条第1項に掲げる各種学校）が教育職員（学長、副学長、教授、准教授、
講師、助教、助手、校長、副校長、園長教頭、教諭、助教諭、養護教諭、養謹助教諭等） として任用している者に係る人件費が教員人件費とされる。 |
ただ、この説明も万能ではありません。研究報告26号は、一般論です。本質的な解説は、野崎先生の基準詳説にあります。基準の解説書を見てみます（H2基準詳説P69）
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��教職員の別及び本務・兼務の別は、この計算書類作成の目的から、所轄庁より受ける経常費補助金の交付要綱などに準拠すべきである。 例えば私立大学等経常費補助金についていえば、「教員人件費支出｣に含める教員には、学長、校長、副学長、教授、助教授、講師、助手があり、また高等学校以下については、一般的に各都道府県の補助金の交付要綱などでは校長、副校長、園長、教諭、助教諭、講師、養護教諭、養護助教諭などが含まれている。その他の者に係る人件費は「職員人件費支出」に計上する。したがって、副手、実習助手等は職員に含めることとなる。 |
このように、学校会計の人件費の教員と職員の区別は、「所轄庁より受ける経常費補助金の交付要綱など」によっています。一般論なら研究報告26号。実務は所轄庁の取扱いを確認します。ここでは一例として東京都の場合を見てみます。東京都では、東京都私立学校教育助成条例施行規則1条で、
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(経常的経費の範囲) 第一条 東京都私立学校教育助成条例(以下「条例」という。)第三条第二項の規則で定める経常的経費の範囲は、次に掲げる経費とする。 一 教員等(私立の幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校及び幼保連携型認定こども園(以下「私立幼稚園等」という。)の園長、校長、副園長、副校長、教頭、教諭、保育教諭、助教諭、助保育教諭、講師として知事が定める者をいう。以下同じ。)の給与に要する経費 二 職員(教員等以外の私立幼稚園等の職員のうち、知事が定める者をいう。)の給与に要する経費 |
所轄庁ごとの教員と職員の区別基準をつかまないと、人件費の教員人件費と職員人件費の区分の最終判断ができない事情があります。ここが教員と職員の区分の難しいところです。
今日は、ここまでです。
