2024年11月15日
「複式簿記の原則」について
<Q>「複式簿記の原則」について
学校法人会計基準には、わざわざ複式簿記の原則を採用することが書いてありますが、どうしてですか?
<A>
まず、基準を確認します。
(会計の原則) 第2条 学校法人は、次に掲げる原則によって、会計処理を行ない、計算書類を作成しなければならない。 一 財政及び経営の状況について真実な内容を表示すること。 二 すべての取引について、複式簿記の原則によって、正確な会計帳簿を作成すること。 三 財政及び経営の状況を正確に判断することができるように必要な会計事実を明りように表示すること。 四 採用する会計処理の原則及び手続並びに計算書類の表示方法については、毎会計年度継続して適用し、みだりにこれを変更しないこと。 |
感覚的には、説明できるのですが正しい説明が昭和46年(1971年)に基準が施行された当時の文科省説明資料を見てみましょう。
2
第2号の「複式簿記の原則」は、他の立法例では正規の簿記となっているが、単式簿記であっても合理性を有するものは正規の簿記であると解釈する余地があるので、学校法人の会計が複式簿記法によるものであることを明確にするため、本号のような表現を用いたものである。 |
ということでした。おそらく基準制定前の学校会計は、単式簿記を行って学校が多く見られました。そこで、基準は、複式簿記の速やかで安定的な定着を目指して、敢えて複式簿記の原則と明記したこともあるのでしょう。
今日は、ここまでです。
kaikei123 at 07:00│Comments(0)│