2023年03月17日
高校と大学のアクティブ・ラーニング?
<Q>高校と大学のアクティブ・ラーニング?
大学の方は、よくアクティブ・ラーニングと言いますが、高校でも共通ですか?
<A>
高校ではアクティブ・ラーニングのことを「主体的、対話的で深い学び」とも呼ぶ学習スタイルのことを言っていましたが、現在は、高校でも普通に「アクティブ・ラーニング」と言っています。アクティブ・ラーニングは、生徒が能動的に学習に取り組む学習法の総称としても使われています。
<もっと正確に説明します>
正確なご回答は、「教員採用試験対策
教育用語集 2024年度版」(2022東京アカデミー)P3からの引用です。
アクティブ・ラーニング(主体的・対話的で深い学び) 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて〜生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ〜(答申)」(2012(平成24)年8月中央教育審議会)では、生涯にわたって学び続ける力を育成するという点から、「アクティブ・ラーニング」(能動的学修)へ転換することの必要性を打ち出した。アクティブ・ラーニングとは、「教員による−方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である」としている。 もともとは大学の授業等で使われていた用語であるが、初等中等教育においてもアクティブ・ラーニングの視点からの授業改善が重要であるとされ、2017・2018(平成29・30)年告示小学校・中学校・高等学校学習指導要領においては、子供たちの「主体的・対話的で深い学び」を実現するために共有すべき授業改善の視点として、その位置付けが明確化され。 |
<勝手に補足>
高校に関しては中央教育審議会答申「幼稚園小学校、 中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」(2016年12月21日)にアクティブ・ラーニングが見られます。
第1部 学習指導要領等改訂の基本的な方向性 第4章 学習指導要領等の枠組みの改善と「社会に開かれた教育課程」 2.学習指導要領等の改善の方向性 . (3)「主体的・対話的で深い学び」の実現(「アクティブ・ラーニング」の視点) ○第三は、子供たちが、学習内容を人生や社会の在り方と結び付けて深く理解し、これからの時代に求められる資質・能力を身に付け、生涯にわたって能動的に学び続けたりすることができるようにするため、子供たちが「どのように学ぶか」という学びの質を重視した改善を図っていくことである。 ○学びの質を高めていくためには、第7章において述べる「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて、日々の授業を改善していくための視点を共有し、授業改善に向けた取組を活性化していくことが重要である。 ○これが「アクティブ・ラーニング」の視点からの授業改善であるが、形式的に対話型を取り入れた授業や特定の指導の型を目指した技術の改善にとどまるものではなく、子供たちそれぞれの興味や関心を基に、一人一人の個性に応じた多様で質の高い学びを引き出すことを意図するものであり、さらに、それを通してどのような資質・能力を育むかという観点から、学習の在り方そのものの問い直しを目指すものである。 ○次期学習指導要領が目指すのは、学習の内容と方法の両方を重視し、子供たちの学びの過程を質的に高めていくことである。単元55や題材のまとまりの中で、子供たちが「何ができるようになるか」を明確にしながら、「何を学ぶか」という学習内容と、「どのように学ぶか」という学びの過程を、前項(2)において述べた「カリキュラム・マネジメント」を通じて組み立てていくことが重要になる。 ○また、「カリキュラム・マネジメント」は、学校の組織力を高める観点から、学校の組織や経営の見直しにつながるものである。その意味において、今回の改訂において提起された「アクティブ・ラーニング」と「カリキュラム・マネジメント」は、教育課程を軸にしながら、授業、学校の組織や経営の改善などを行うためのものであり、両者は一体として捉えてこそ学校全体の機能を強化することができる。 |
サブノート的にまとめると、だいたいですが下記の感じでしょうか。
アクティブ・ラーニングの単純比較
|
大学 |
高校 |
根拠 |
2012中教審答申 |
2016中教審答申 |
備考 |
アクティブ・ラーニング(学修者が能動的に学修) |
・主体的・対話的で深い学び→アクティブ・ラーニング ・学習指導要領 |
また、2019「新しい学習指導要領の考え方 - 文部科学省」の中にある図表がアクティブ・ラーニングのイメージがしやすいです。
今日は、ここまでです。