2022年10月17日
【私学助成園】給食代の会計処理
<Q>【私学助成園】給食代の会計処理
保護者からもらう給食費の会計処理とその原価の会計処理を教えてください。
<A>
私学助成園の給食費については、さまざまな取引形態があります。
大きく分けると3種類+1の取引パターンに整理できます。
1.食育を重視して、給食代を学納金収入として徴収している場合
幼稚園では、食育が重要視されています(文科省「幼稚園における食育の推進について(通知)」(平19.1.17 18初幼教第9号)。そこで、食育推進の観点から学則(通称、園則)・募集要項などに定めて、園児全員に給食を提供し、給食費は保育料と同じように一律徴収している場合です。
この場合は、幼稚園では、徴収した給食代は、(大科目)学生生徒等納付金収入(小科目例)給食費収入とします。支出は、食育は教育活動のひとつなので(大科目)は教育研究経費支出とします。(小科目)は例えば、食材費支出とします。
2.給食代を付随事業・収益事業収入としている場合
2つの場合に分かれます
(1)補助活動収入としている場合
基準別表第一において、補助活動収入は「食堂、売店、寄宿舎等教育活動に付随する活動に係る事業の収入をいう。」とされているので、一般的な給食費は(大科目)付随事業・収益事業収入の(小科目)補助活動収入となります。
支出の材料費は、文部省の通知(※)から(大科目)管理経費支出になります。(小科目)は、補助活動仕入支出などになるでしょう。※「教育研究経費と管理経費の区分について(報告)」について(通知)(昭46.11.27雑管第118号)
(2)(小科目)給食費収入の場合
給食費を全員から給食費を徴収しているのすが学則などでは定めていない場合は、(大科目)は付随事業・収益事業収入となります。そして、食育の教育性を重視して独立の小科目を追加して(小科目例)給食費収入として受け入れ処理している場合があります。学則で定めていないので、欠食分は返金したりしていることもあります。
この場合は、材料費の支払いは、教育性を重視して(大科目)教育研究経費支出(小科目例)食材費支出となります。(会計士協会研究報告30号Q4)
3.給食代の徴収代行の場合
幼稚園では保護者から給食代を徴収しているのです、実態は給食業者からの仕入相当額を徴収代行していると見られる場合は、幼稚園では、預り金で会計処理します。
4.所轄庁の指示
会計処理について所轄庁の指示がある場合は、1〜3にかかわらず所轄庁の指示に従います。
※私学助成園の給食費の会計処理イメージ
収入の会計処理 |
支出の会計処理 |
説明 |
1.学納金収入 |
(大科目)教育研究経費 (小科目)食材費支出 |
食育重視の観点から学則などに一律徴収の定めあり |
2-1 付随事業・収益事業収入 (小科目)補助活動収入 |
(大科目)管理経費支出 (小科目)補助活動仕入支出 |
文部省通知雑管118号 |
2-2 付随事業・収益事業収入 (小科目)給食費収入 |
(大科目)教育研究経費 (小科目)食材費支出 |
会計士協会研究報告30号Q4 |
3.預り金収入 |
預り金支出 |
園が業者の徴収代行をしている |
4.所轄庁の指示 |
所轄庁の指示 |
所轄庁の指示 |
今日は、ここまでです。