2022年07月13日
【基本金】昔もあったの「基本金」??
<Q>【基本金】昔もあったの「基本金」??
学校法人会計基準は、昭和46年(1971年)に施行されましたけれども、それ以前の学校法人の会計には、基本金はあったのですか?
<A>
学校法人会計基準(文部省令16号)は、昭和46年に施行されましたが、それ以前は全国統一の私立学校の会計ルールは、ありませんでした。
ただ、古い本をみると学校法人の会計本に基本金が登場してきます。たとえば、昭和35年(1960年)発刊の書籍「非営利法人の会計実務」(藤巻治吉、鈴木啓允)森山書店には基本金が出てきます。引用すると、
P12 1
.資産 資産とは、事業体の有する権利の総称である。しかしあくまでも簿記用語であるから、
貨幣価値で表示され得ないものは資産とはいわない。学校法人では、経営者の出資金を元入資本(正味財産、基本金)として、校舎、什器備品などの財貨や、生徒の未収の授業料などの債権(権利)を有することになり、これ等を総称して資産といっている。換言すれば、資金の調達(資本)によって運用する形態を、資産というのである。 |
P13 2.資本および負債 資本(正味財産、基本金)とは、企業の経営活動に投下された経済価値の総称であるといわれているが、非営利法人たる学校法人は、営利を目的としたものではない筈であるから、原則的には、資本という言葉を使用しない。したがって、学校法人では、正味財産、
または、元入金という言葉で表現することが無難かと思われる。 |
P65 貸借対照表の正味財産の部(貸方)は次のような表示方法が妥当である。 純財産の部 I 当初正味財産(基本金) I 剰余金(正味財産の増減分) 1 ○○積立金(未処分剰余金の処分) 2未処分剰余金 1)繰越剰余金(前期、剰余金処分の対象にならず今期に繰越された分) 2)当期剰余金 |
いずれも昭和35年(1960年)の基本金は現在2022年の基本金に通じるものです。また、基本金を「当初正味財産」と説明するのは上手で分かりやすい説明です。
今日は、ここまでです。