幼保連携型認定こども園の所轄庁はどこ??【経営指標】人件費依存率が大切な理由?

2022年07月08日

【収支】学校法人の収支均衡について?

天秤 sozai_image_151241こんにちは!今日は、ある学校で外部理事の方から尋ねられました。

 

<Q>【収支】学校法人の収支均衡について?

 学校法人の方は、収支均衡とよく言いますが、いったいそんなことどこに書いてあるのですか?収支均衡より学校法人は利益を増やした方が良いのではないですか?

 

<A>

 収支均衡は、学校法人制度の根幹にあるものなので、今日は、会計法規集を使わないでお答えいたしますが、事務局の主観が大きく入っていることを予めお伝えいたします。

 

1.収支均衡の根拠

学校法人は、校地・校舎・教具・工具などの基本財産を準備してから学校を設置します。そして、4月から始まる教育活動の実施にあたっては予め確保した運用財産をもと1年間の教育活動を行っていきます。

※学校法人の資産の認可基準のイメージ

基本財産

校地・校舎・機器備品など

 

運用財産

現金預金

 

私立学校法が制定された昭和24年当時の原点の通知をみてみます。私立学校法施行時の文部次官通知では、運用財産の額としては、本「学校の種類、規模に応じて毎年度の経常支出に対し授業料、入学金等の経常的収入その他の収入で収支の均衡が保てるものであること」とされています。そして、具体的な額が学校種別の寄附行為の認可に関する審査基準で定められています。

※私立学校法の施行について(昭25.3.14文官庶第66号各都道府県知事あて文部次官通達)

 

2.収支均衡より利益を増やした方が良い?

 学校法人と利益を目的にする会社を少し比べてみます。

 学校法人は私立学校を設置し、保護者から授業料、国・地方公共団体から補助金をもらい収入を確保し、そこから人件費や経費を支払い、教育活動を行っていきます。

 他方、一般企業では利益を大きくし、配当金を支払うことが一つの目的になっています。学校法人でも実務的には、収支差額はある程度のプラスが望ましいと考えられますが(将来の安定した学校運営のために)、学校法人の制度の根幹は、保護者から授業料、国・地方公共団体から補助金をもらったら、そのすべてを教育事業に充て、学生・生徒に還元する。もし相当の収支差額が毎年、学校法人に残る場合は、授業料を減額して、保護者・学生の経済的負担を軽減すると言うのが学校法人制度の理念です。

 このような学校法人制度の理念のもとで、私立学校は、建学の精神を発揮しながらも公共性の高い公教育を行っていきます。このため税務上も大きな優遇措置を受けています。もし学校法人が収支差額の拡大を目的にするならば設置者を株式会社に変え、税金を払いながらの私立学校の運営になるでしょう。

 

 今日は、ここまでです。



kaikei123 at 07:00│Comments(0)

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