2021年03月17日
【学校特有】少額重要資産の誕生について
<Q>【学校特有】少額重要資産の誕生について
少額重要資産の誕生について教えて下さい。
<A>
実は、昭和46年に学校法人会計基準が施行されましたが、このときはまだ少額重要資産と言う言葉はありませんでした。
少額重要資産が登場したのは、財研報告を受けて文科省の発出した通知でした。通知名は、皆様がよくご存じの「基本金設定の対象となる資産及び基本金の組入れについて(報告)」について(通知) (昭49.2.14文管振第62号) です。基本金との関係で少額重要資産が学校法人会計に登場したのです。ここでの定義です。
学校法人の所有する机、椅子、書架、ロッカー等の少額重要資産(学校法人の性質上基本的に重要なもので、その目的遂行上常時相当多額に保有していることが必要とされる資産をいう。) |
ですが、学校法人会計基準が施行された昭和46年当時から少額重要資産の考え方が学校会計に芽生えていたことが三角先生の本から垣間見ることができます。
「文部省令 学校法人会計基準詳説」(昭47.8.20第一法規/編著者三角哲生(文部省大臣官房会計課長))p127より
(10)机、椅子等少額多量資産の取扱い
学校法人の作成する貸借対照表は、出来うるかぎりその法人の財政状態を明瞭に表示すべきである。学生用の机、椅子などは、その単価は少額ではあるが、教室などの増設に伴って購入される場合、その総額は相当額になり、これを資産として計上しないとなると貸借対照表が学校法人の財政状態を適正に表示しているとはいえなくなる。そこで、質問のような場合には、例えば1教室に備え付けられるべき(定員数の)机および椅子を1組と考えて処理すべきであろう。 |
今日は、ここまでです。