2020年07月13日
【学校法人】教育事業、収益事業、付随事業の関係
<Q>教育事業、収益事業、付随事業の関係
学校法人会計で出てくる、教育事業、収益事業、付随事業の関係がわかりません。
<A>
学校法人が行うことができる事業は、私立学校を設置し運営する事業(教育研究事業)と収益を目的とする事業(収益事業)の二種類ですが、教育研究事業の中に、純粋な教育研究事業と教育研究に付随して行われる事業(付随事業)があるものと解されています。(参考:松坂先生。逐条解説P170)
※学校法人が行うことのできる事業の図解
3つの事業 | 説明 | |
教育研究事業 | 純粋な教育研究事業 |
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付随事業 | 教育研究に付随して行われる事業 | |
収益事業 | 私学法26条 |
<少し説明>
学校会計の法規集を使っても、教育事業、収益事業、付随事業の関係がわかります。
まず、文科省の収益事業告示(※文部科学大臣の所轄に属する学校法人の行うことのできる収益事業の種類を定める件(昭25.11.8文告第68号。最終改正H28.6.23)です。収益事業と付随事業の定義らしきものがあります。
第1条 私立学校法第26条第1項の規定により文部科学大臣の所轄に属する学校法人の行うことのできる収益事業(当該学校法人の設置する学校の教育の一部として又はこれに付随して行われる事業を除く。以下「収益事業」という。) |
付随事業については、もっと詳しい内容が、いわゆる付随事業・収益事業通知(※文部科学大臣所轄学校法人が行う付随事業と収益事業の扱いについて(通知)(平21.2.26 20文科高第855号))にあります。ここには、付随事業の説明がたくさんあります。ただ通知の分量が多いので、ここでは、詳細は書けないので学校法人会計基準が出てくる部分だけ紹介します。
なお、学校法人会計基準(昭和46年文部省令第18号)上の付随事業の扱いは、次のとおりである。 付随事業は、「補助活動」と「補助活動以外の活動」からなる。 補助活動は、主として在学者を対象とするものであり、学校法人会計基準第5条に定める「食堂その他教育活動に付随する活動」は、補助活動を指す。なお、教職員及び役員が当該活動の対象者に併せ含まれても良い。 |
最後に、教育事業、付随事業、収益事業の関係で学校法人の計算書類でざっと見てみます。
※学校法人の教育事業、付随事業、収益事業の決算書の位置
事業活動収支計算書
教育活動収支 | 大科目 | 小科目 | 備考 |
学生生徒等納付金収入 |
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手数料収入 |
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特別寄付金収入 |
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一般寄付金収入 |
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経常費等補助金収入 |
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付随事業収入 | 補助活動収入 | 食堂、売店、寄宿舎等教育活動に付随する活動に係る事業の収入をいう。 | |
附属事業収入 | 附属機関(病院、農場、研究所等)の事業の収入をいう。 | ||
受託事業収入 | 外部から委託を受けた試験、研究等による収入をいう。 | ||
雑収入 |
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教育活動外収支 | その他の教育活動外収入
| 収益事業収入 | 収益事業会計からの繰入収入をいう。 |
収益事業会計(基準3条)
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今日は、ここまでです。