2020年06月18日
【用語】留年とは何か?
<Q>【用語】留年とは何か?
留年について教えて下さい。
<A>
留年は、文字通りその学年のとどまることです。生徒や学生が進級・卒業するのに必要な単位を取得できないと、同じ学年(原級)にとどまることと言います。
教育用語としては、原級留置と言います。大学では、大学や専門学校では留年と言うことが多いのですが、日常生活では落第と言った方がピンとくるでしょうか。
また、留年中の学費については、学校では学則や理事会制定に定めるおくことになるでしょう。
<発展>
留年は、学校会計の法規集では、なかなかお目にかかれません。そこで、留年の正確な説明は、教育用語辞典をみてみます。
第3版 学校教育辞典p761(H26。教育出版株式会社) 留年 卒業や課程の修了に必要な単位を取得していないため、次学年への進級や、卒業を認められず、 引き続き当該課程にとどまり、 あるいは在学したりすることである。義務教育諸学校や学年制と単位制を併用している高等学校で、 引き続き同一学年にとどまる場合は、原級留置もしくは落第と呼ぶのに対して、便宜的に学年制をとっているものの、単位制を基本とする大学において、一定の修業年限の間に、所定の科目の単位が修得されないで引き続き在学する場合を留年といっている。 留年の形態には、大まかに、課程留年と卒業延期の二つがあり、前者については、一般教育科目の履修を中心とするいわゆる教養課程から専門科目の履修を中心とする専門課程への進級の際に教養課程にとどまる形態と、後者については、 当該大学の卒業基準を満たさず引き続き在学する形態に区分できる。留年問題を複雑にしているものには種々あるが、学力不足等による落第一留年に加えて、近年、司法試験や公務員・教員採用試験等の目的達成のためのいわば自主的留年等がかなり見られる。(諏訪伸夫) |
もう一つは原級留置です。
改訂版 教職用語辞典p176(2019年7月。株式会社一藝社) 原級留置 学校教育法施行規則によると、学校では各学年の課程の修了や卒業を認める場合には、児童生徒の平素の成績を評価して定めなければならない。成績の不振、長期の欠席などによって学年の課程を修了したと認められない場合に、その学年に留め置く措置を原級留置という。学年の課程を修了したとして進級させるかどうかは上に述べたように学校の裁量に委ねられている。そのため、進級もその対義となる原級留置も法令では定められていないが、公立学校の場合は教育委員会規則である学校管理規則で定められている場合が多い。 日本の義務教育は年齢主義であるため、小学校や中学校での原級留置はきわめてまれであるといわれている。高等学校では毎年2万人前後(高校生全体の0.5〜0.6%)に対し原級留置が行われている。 なお、原級留置は学年ごとに決められた課程を学修していく学年制の学校において行われるもので、単位制の学校(大学や一部の高等学校)では通常行われない。(大谷奨) |
今日は、ここまでです