2019年06月19日
【基準】経過的な収入と支出とは何か?
<Q>【基準】経過的な収入と支出とは何か?
学校法人会計基準5条の「経過的な収入と支出」って具体的には、何ですか?
※学校法人会計基準
(総額表示) 第5条 計算書類に記載する金額は、総額をもつて表示するものとする。ただし、預り金に係る収入と支出その他経過的な収入と支出及び食堂に係る収入と支出その他教育活動に付随する活動に係る収入と支出については、純額をもつて表示することができる。 |
<A>
原点に戻り学校法人会計基準ができた当時の旧文部省の説明会資料(昭和46年5月 文部省管理局振興)の基準5条の解説では、
4 預り金とは、源泉徴収された所得税、社会保険料等がこれに該当するが、後援会費、 職員旅行積立金のようなものはこれらが学技法人の会計として処理されているものであるかどうかを見きわめるのが先決である。 このほかの経過的な収入と支出としては、 仮受金、 仮払金等がこれに該当する。 |
これを図解すると
経過的な収入と支出 | 預り金 |
仮受金、 仮払金等 |
の理解で良いかと思います。早わかりでいうと、「経過的=一時的」と置き換えるとより分かりやすいでしょう。ですから、資産運用取引(有価証券の購入や売却)は、それぞれ購入取引や売却取引が個別に確定する取引ですから経過的な収入や支出に当たりません。
さて、時が流れると解説が増えていきます。野崎先生の基準詳説(平成2年)p196では、
(ア)預り金には、教職員の給与から控除した源泉徴収税額等や修学旅行費の預り金、生徒会の預り金等がある。これらの多くは貸借対照表上は流動負債に計上されることになろう。 また、その他経過的な収入と支出としては仮払金や仮受金等があるが、これらは即座に処理のできない入出金をあくまで経過的にとどめておくための未決算勘定であり、年度末には残高の残らないようにすべきである。しかしながら、例えば教職員の海外出張のための支度金等が年度末をまたいでやむを得ず未精算で残ってしまったような場合には、その残高は貸借対照表上は流動資産として計上され、資金収支計算書上は仮払金支払支出として計上することになる。 |
ここでは、未決算勘定が出てきました。未決算勘定と言うのは、文字通り決算がまだ出来ない勘定です。もう少し言うと、未決算勘定は、取引が未決着であるため、最終的に処理すべき勘定科目や金額が確定していない場合に使う科目です。
今日は、ここまでです。