2019年04月12日
【人件費】保育園の保育士さんの人件費の会計処理??
こんにちは!今日は、幼稚園法人の顧問税理士さんからのご質問です。
<Q>【人件費】保育園の保育士さんの人件費の会計処理??
幼稚園法人では、認可幼稚園と認可保育所を設置しています。ただ、保育園の先生のお話だと保育所は、教育施設とのことですが、学校法人会計では保育園の先生の人件費を職員人件費にしているのですが、良いのでしょうか?
<A>
保育所の保育士さん人件費は、学校法人会計では職員人件費で会計処理することになっています。
<少し解説>
昨今、幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の3法令が同時に改訂されました。ここでは幼稚園も保育所も幼保連携型認定こども園も、日本の大切な幼児教育施設として位置づけられました。
保育園の園長先生からすると保育園では、従来から教育を行っているとおっしゃることでしょう。
さて、教育施設の側面を持つ保育所ですが、保育士さんの人件費を職員人件費にする理由としてすぐ思い浮かぶのは、2つです。
1.学校法人会計基準の定義から
別表第一 資金収支計算書記載科目(第10条関係)の抜粋です。教員人件費と職員人件費の説明があります。
小科目 | 備考 |
教員人件費支出 | 教員(学長、校長又は園長を含む。以下同じ。)に支給する本俸、期末手当及びその他の手当並びに所定福利費をいう。 |
職員人件費支出 | 教員以外の職員に支給する本俸、期末手当及びその他の手当並びに所定福利費をいう。 |
これをみると、経費の教育研究経費と管理経費の区分のような分け方を人件費はしていません。教員の人件費は、教員人件費。それ以外の職員の人件費は職員人件費となっています。
保育士は、児童福祉法の第7節に出てきます。保育士の定義は18条の4にあります。
児童福祉法第18条の4 |
保育士資格は、国家資格の一つですが、教員免許状(幼稚園教諭免許状)はありません。学校法人会計では、保育士さんは教員でないので、基準・別表での定義から職員人件費と扱うことになります。
2.研究報告21号
「学校法人の設置する認可保育所に係る会計処理に関するQ&A」(学校法人委員会研究報告第21号)の4-6では,保育士の人件費は職員人件費で処理することとしています。
ここでの説明は、
「児童福祉施設最低基準」(昭和23年12月29日厚生省令第63号)により、保育所には、乳幼児の数に応じて定められた数の保育士を置かなければならないとされているが、保育事業は教育事業そのものではなく付随事業であり、保育士の人件費は、第330号通知により、職員人件費として処理する。 |
とあります。
しかし、実際、第330号通知を読んでも、「保育士の人件費は、職員人件費として処理する」とは、はっきりとは書いてありません。330号通知では、学校法人の設置する認可保育所は、認可保育所は学校法人が行う教育研究事業と密接な関連を有する、いわゆる「附帯事業」と位置付け、「認可保育所に係る収支は、資金収支計算書及び消費収支計算書に教育研究に関連する科目としては計上しないこと」とは書かてありますが。
今日は、ここまでです。