2019年03月04日
【予算】予算と決算を対比する理由
こんにちは!今日は企業出身の大学法人の理事さんからのご質問です。
<Q>予算と決算を対比する理由
学校法人の決算書は、どうして予算と決算を対比するのでしょうか?
※〇〇収支計算書のイメージ図
科目 | 予算 | 決算 | 差異 |
〇〇収入 〇〇支出 | 100 45 | 105 35 | △5 10 |
<A>
学校法人の会計年度は4月1日に始まり、翌年3月31日に終る1年間になっています(私学法48条)。そして、学校法人の具体的に運用は、事前に予算を立て評議員会の諮問を受け(私学法42条)、会計年度終了後評議員会に決算の報告を行います(私学法46条)。収支計算書は、毎会計年度終了後2月以内に完成されることになっています(私学法47条)。つまり、学校法人は1年間の教育活動を事前に予算を立て、事後的に決算を行い、会計年度の事業評価を行います。 これを具体的な収支計算書の書式に置き換えたのか学校法人会計基準の9条と18条です。
(資金収支計算書の記載方法) 第9条 資金収支計算書には、収入の部及び支出の部を設け、収入又は支出の科目ごとに当該会計年度の決算の額を予算の額と対比して記載するものとする。 (事業活動収支計算書の記載方法) 第18条 事業活動収支計算書には、第15条各号に掲げる活動ごとに事業活動収入の部及び事業活動支出の部を設け、事業活動収入又は事業活動支出の科目ごとに当該会計年度の決算の額を予算の額と対比して記載するものとする。 |
基準第9条では、学校法人の会計は、予算に基づいて運営されるのであるから、その結果を示す資金収支計算書には、予算額と決算額との比較が可能なように記載することとしています。
基準18条は、事業活動収支の持続的な均衡の有無を確認するためには、予算に基づいて計画どおりに運営されているかどうかを明らかにする必要があります。このため、事業活動収支計算書の記載は、予算額と決算額との比較が可能の書式になっています。
また、学校法人の業界では、所轄庁が事前に学校法人の前年度決算および当年度予算の内容を十分検討したうえで適切な交付決定を行なうとともに、事後において決算による実績にもとづき、補助金が有効適正に使用されたかどうかを確認する必要があるところから、予算と決算を対比する書式になったあることでしょう。
(参考:昭和46年5月文部省管理局振興課「学校法人会計基準逐条解説」)
今日は、ここまでです。