2018年01月10日
【周辺会計】知っているようで知らない「PTAって何だろう?」
<Q>知っているようで知らない「PTAって何だろう?」
学校法人が関係する団体の会計は、周辺会計といっています。ところで、これら後援会、保護者会、同窓会、PTAなどの関係団体のうち「PTA」って何ですか?
<A>
PTAという言葉は、周辺会計の会計に関連して学校会計の法規集でもお目にかかるのですが、定義や解説はみあたりません。
そこで、まず辞書から引用し常識的な理解をみてみます。
広辞苑第6版 ピー‐ティー‐エー【PTA】 (Parent-Teacher Association)父母と教師の会。父母・教師の協力による教育の改善・向上、児童・生徒の成長・発達と福祉の増進を目的とする。1897年アメリカで結成。日本では第二次大戦後設立。普通は学校単位に結成。 |
これでPTAの概要がわかりました。
もう少しだけつっこんでみます。
新版教育小事典【第3版】H23学用書房 PTA parent-teacher association 学校における児童・生徒の親と教師の連絡協議体。戦後のアメリカ教育使節団報告書(第1次)のなかで勧告され、それを受けるかたちで文部省は資料「父母と先生の会一教育民主化のために」(1947年)を作成配付した。これを契機に、全国各地にPTAが結成されることになった。 モデルとしてのアメリカのPTAは母親の運動(全国母親会議、1897年)が源流とされるが、日本の場合はきわめて行政指導的にPTAの結成がすすめられ、組織率は高いが自主的民間的団体としての性格は当初から稀薄であった。 しかし、戦前の父兄会あるいは保護者会とちがう点は、PTAは少なくとも理念的に父母と教師の協同の組織であること、教育を民主化するための自立的団体であることなどにあった。 その後、六・三・三制による新教育制度発足とともに、PTAは地域と学校を結ぶ組織として新しい役割を期待されるが、実態は学校への奉仕協力団体、とくに財政的な学校後援団体として、父母の教育費負担=税外負担の通路としての役割を担わせられる場合が多かった。
同時にそこにPTA改革の出発点もあったわけで、とくに1960年代にみられる改革運動のテーマは、この学校後援会からの脱皮と自主的民間的活動の創造にあったといってよい。
受験戦争の激化や子どもの非行化その他教育荒廃の問題が深刻であるだけに、いまPTAが果たすべき役割は大きい。その組織の空洞化、活動の停滞などにより一方でPTA無用論も聞かれるが、教育荒廃に抗して、学級PTA、専門部活動、地域PTAなどをとおして地道な活動を展開しているPTAもみられる。→社会教育関係団体( 小林文人) |
なお、PTAの全国組織には、日本PTA全国協議会、全国高等学校PTA連合会があります。
今日は、ここまでです。