2017年05月22日
【基本金】機器備品の基本金の繰延
こんにちは!今日は、大学法人の本部経理の方からのご質問です。
<Q>機器備品の基本金の繰延
当法人の設置高校では、パソコン(機器備品)をリース(賃借料処理)にしました。この場合、基本金は取り崩すのですか、繰り延べで良いのですか?
※前期まで
貸借対照表
機器備品 100 減価償却累計額80 20 | 基本金 100 |
<A>
当該年度中の取得資産が全くないわけですから、除却した機器備品に係る基本金の全額を後年度に繰延べると、これが翌年度においても再び同様のことになると組入繰延額は累積されます。この状態では基本金の額がそのままなのに対し、対応する基本金対象資産がなくなっており、基本金の額と基本金対象資産の額に乖離が生じてしまいます。
※基本金を繰延べると
貸借対照表
機器備品 0 | 基本金 100 |
そこで、平成17年会計基準改正では、「平成17年4月1日現在有している基本金の繰延額は、学校法人がその諸活動の計画に基づき必要な資産を継続的に保持するために維持すべきものを除き、平成17年度決算の基本金取崩しの対象とすること」としました。ですから、それ以降、基本金対象資産を再取得する予定のある場合を除き、基本金の繰延べは発生しません。
※基本金を取り崩すと
貸借対照表
機器備品 0 | 基本金 0 |
今回は、新規取得資産が全くなく、近い将来も機器備品を取得する予定がなく、かつ教育水準の低下ももたらさない場合、基本金は繰延べないで、取り崩すことになります。
今日は、ここまでです。