2017年05月08日
【決算】少額重要資産の備忘価額を残さない理由!!
<Q>少額重要資産の備忘価額を残さない理由って何!!
机、椅子などの少額重要資産については、償却最終年度に備忘価額を残さないで帳簿価額を残さないで落としてしまうので、おかしくありませんか?
<A>
少額重要資産の減価償却は、事務手続の簡素化という目的から割り切っており備忘価額を残しません。理論的と言うよりも割り切った実務的なルールです。
<少し解説>
少額重要資産の備忘価額については、度々尋ねられる御質問です。
特に企業会計の方からすると税務では備忘価額1円を残すことから違和感が強いのかもしれません。
少額重要資産ついて、備忘価額を残さない説明は、「学校法人の減価償却に関する監査上の取扱い」(学校法人委員会報告第28号)の解説にありました。
備忘価額を残す見解 | 備忘価額を残さない見解 |
この機器備品の「グループ償却」は、事務手続の簡素化のため、多くの学校法人で採用しているものと思う。「グループ償却」を採用している場合であっても、備品が存在する限り、その存在を明らかにするため、また備品等の管理目的の上からも、備忘価額を付して、会計上も記録を残すべきであるという意見も有力である。論理的には、この意見は正しいものであろう。 | しかし、「グループ償却」を採用している場合に、備品等に備忘価額を付すとすれば、1点ごとに備忘価額を付さなけれはならないであろうし、備品等の除却の際の手続も煩雑となり、事務手続の簡素化という目的から「グループ償却」を採用していながら、その目的を達することができなくなる。
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このような見地から、「グループ償却」を採用している場合は、償却が完了した会計年度に備品等の除却処理をしても、現にある備品について、固定資産台帳の中に「簿外管理台帳」を設ければ、現品の管理目的も達せられるということで、意見の一致をみたのである。
今日は、ここまでです。