2016年09月15日
【寄附行為作成例34/45】(予算外の新たな義務の負担又は権利の放棄)第34条
こんにちは! 学校法人寄附行為作成例の各条のミニ解説をしています。今日は、第5章 資産及び会計から(予算外の新たな義務の負担又は権利の放棄)第34条です。
寄附行為作成例 第5章 資産及び会計 (予算外の新たな義務の負担又は権利の放棄) 第34条 予算をもって定めるものを除くほか、新たに義務の負担をし、又は権利の放棄をしようとするときは、理事会において出席した理事の3分の2以上の議決がなければならない。借入金(当該会計年度内の収入をもって償還する一時の借入金を除く)についても、同様とする。 【ミニ解説】 1.本条の趣旨 本条は、予算外の新たな義務の負担又は権利の放棄する場合の理事会の承認手続について定め、学校法人の資産の確保及び財務の健全性を図ることを目的としている。寄附行為の任意的記載事項です。 2.「予算外の新たな義務の負担又は権利の放棄」とは 予算外の新たな義務の負担とは、長期借入金の新規借入や保証債務の発生等が考えられます。権利の放棄とは、債権の債務免除が考えられます。 3.少し説明 作成例第22条では、評議員会の諮問事項として「予算外の新たな義務の負担又は権利の放棄」を定めています。 しかし、理事会決議については決議方法が定められていません。通常の理事会決議だと「理事会の議事は、寄附行為に別段の定めがある場合を除いて、出席した理事の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。」(私学法第36条第6項)となります。しかし、作成例第34条は、私学法私学法第36条第6項の「寄附行為に別段の定めがある場合」を利用して、通常の過半数決議より重い「出席理事の3分の2以上の議決」を求めています。これは、予算外の新たな義務の負担又は権利の放棄をする場合は、通常の理事会決議以上に慎重な判断が必要と考えられたからでしょう。作成例第33条の予算や事業計画の承認と同じ議決要件です。 今日は、ここまでです。