2016年08月03日
【寄附行為作成例 3/45 】(目的)第3条
こんにちは! 学校法人寄附行為作成例の各条のミニ解説をしています。
今日から、第2章目的及び事業です。
学校法人○○学園寄附行為作成例 | 参考:私学法 | ||
章 | 条 | 必要的記載事項 | |
第2章 目的及び事業 | 第3条 | 目的 | 一 目的 |
第4条 | 設置する学校 | 三 学校 | |
〔第5条〕 | 〔収益事業〕 | 九 収益事業 |
今日は、第2章目的及び事業から(目的)第3条です。
学校法人寄附行為作成例
(目的) 第3条 この法人は、教育基本法及び学校教育法に従い、学校教育を行い、○○な人材を育成することを目的とする。 |
【ミニ解説】
1.寄附行為の必要的記載事項
第3条の(目的)は、寄附行為の必要的記載事項として掲げられています(私立学校法第30条第1項)。目的は登記事項にもなっています。
参考:寄附行為の必要的記載事項(私立学校法第30条第1項) 1 目的 2 名称 3 設置する私立学校の名称並びに当該私立学校に置かれる課程、学部等の名称及び種類 4 事務所の所在地 5 役員に関する規定 6 理事会に関する規定 7 評議員会及び評議員に関する規定 8 資産及び会計に関する規定 9 収益事業を行う場合、 その事業の種類その他その事業に関する規定 10 解散に関する規定 11 寄附行為の変更に関する規定 12 公告の方法 |
2.目的について
目的については、学校法人は私立学校の設置を目的として設立されるものなので(私学法第3条)、寄附行為の目的もこの範囲に限定されます。
したがって、どのような教育方針で教育を行うとか、建学の精神や、独自の校風等を記載することとなるでしょう。また教育基本法第15条において私立学校が宗教教育を行うことが認められていることから、「キリスト教主義に基づき」といった文言を加えることも差し支えありません。(参考:小野先生p118)
3.収益事業の記載の要否
収益事業については「収益事業を行う旨を併記すべき」との意見もありますが、収益事業は「その収益を私立学校の経営に充てるため(第26条)」に行われるものなので、その目的に含まれるものであり、また、私学法第30条第1項第9号において収益事業の種類等を記載することとなっていることを考えると、特に収益事業を行う旨を目的において記載する必要はないものと解されます。
公開講座等を行う場合についても、これらは一般に私立学校を設置する目的に含まれるものであると考えられることから同様に解されます。(松坂先生p195)
作成例第3条は、「作成例」旧規定の「学校教育を行」うことに、「○○な人材を育成すること」を付加しています。
4.実態調査
調査1 目的(回答数625 複数回答)
目的 | 回答数 | 割合 |
1 学校教育を行う | 433 | 69.3% |
2 ○○な人材を育てる | 323 | 51.7% |
3 建学の精神・校則に言及 | 203 | 32.5% |
4 宗教教育を行う | 168 | 26.9% |
5 学校の設置 | 93 | 14.9% |
6 教育(又は研究)を行う | 17 | 2.7% |
7 収益事業の併記 | 5 | 0.8% |
8 人格教育 | 3 | 0.5% |
9 その他 | 72 | 11.5% |
(出典:学校法人諸規定の整備と運用(第七版)p19。H27法友社)
今日は、ここまでです。