2016年07月29日
【法規】「知事の所管」vs「知事の所轄」
<Q>「知事の所管」vs「知事の所轄」 県の方が、「都道府県知事が、私立高校と所管しています」と言っていましたが、どういう事ですか? 似た言葉の「所轄」を私学法で見たような気がしますが?? <A> 「知事の所轄」の言い方は、学校教育法を思い出します。 学校教育法 [私立小学校の所管] 第44条 私立の小学校は、都道府県知事の所管に属する。 そしてこの規定が、学校教育法第62条で私立高校に準用されています。 さて、この意味は、学校会計の法規集では対応できないので、基本に戻り鈴木先生の「逐条学校教育法第8版」(H28年版)の助けをお借りします。 【注解】 一 所管とは、所轄又は監督と類似の概念であるが、本条により、都道府県知事は、当然に私立小学校を監督できるということではなく、都道府県知事が私立小学校に関して有する権限は学校教育法及び私立学校法に定めるところによる。 私立学校法は、私立小学校の所轄庁を都道府県知事とし(同法4条2号)、次のような権限を与えている。 (1)私立小学校の設置廃止、設置者の変更、収容定員に係る学則の変更の認可(法4条、施行令23条11号) (2)閉鎖命令(法13条) (3)報告書の提出(私立学校法6条) 二 また、施行令27条の2には、本法施行のため必要な事項として、私立学校の目的変更等の都道府県知事に対する届出が規定されている。 なお、本条の適用対象は、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校及び各種学校であり、小学校の章で規定し、他の学校種に準用している。 つまり、都道府県知事が私立高校を所管するのですが、具体的な所管内容は私学法に任せているということです。 私学法4条では、私立高校の所轄庁を都道府県知事と定め、4条以後の諸規定で都道府県知事が所轄庁として私立高校を管理し又は統制する権限を定めています。私学法第4条では、学教法44条の「所管」という言葉が「所轄」に変わっています。 <ざっくりと早わかり> ・学校教育法…都道府県知事が、私立高校を所管する(抽象的) ・私立学校法…都道府県知事が、私立学校を所轄する(具体的な規定が続く) 今日は、ここまでです。