2016年04月12日
【監査】監査報告書の参考事項って何??
こんにちは! 大学法人の総務の方からのご質問です。
<Q>寄付金と参考事項
年度末監査の打合せでで、会計士さん監査報告書の参考事項と言っていました。どう言うことですか?
<A>
公認会計士監査での監査報告書には、監査事項を記載することがあります。
それでは、参考事項のご説明です。公認会計士監査のことなので公認会計士協会の発出物から引用してのご説明です。
私立学校振興助成法第14条第3項の規定に基づく監査の取扱い (学校法人委員会実務指針第36号。最終改正H27.10) ……………………………………………………………… 《(6) 参考事項区分(その他の報告責任)》 27.計算書類に対する監査人の報告責任に加えて、計算書類に関連するその他の事項について報告責任を有するものとして、以下に掲げる事項は、監査報告書において「参考事項」という見出しを付して記載する。 (1) 所轄庁の通知等により監査上特に留意することと指定された事項(寄付金や学校債の受入れに係る留意事項等) (2) 日本公認会計士協会の実務指針で指定された事項(第2号基本金の組入計画に係る議決が適正な手続によっているか等) |
監査報告書のイメージです。
〈計算書類監査〉 私たちは、………………………………………………… 〈参考事項〉 ………………………………………………………………
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<発展>
少し説明します。
(1)について
大学の場合、「私立大学における入学者選抜の公正確保等について(通知)」(平成14年10月1日。14文科高第454号文部科学省文部科学事務次官)に列挙された(1)〜(5)の通知違反があれば参考事項を記載します。例えば、「入学に関し、直接又は間接を問わず寄附金又は学校債を収受し、又はこれらの募集若しくは約束を行わないこと」、「寄附金又は学校債の募集開始時期は入学後」とされているので、この通知違反があれば監査報告書に参考事項が記載されます。
細かなことを言えば、都道府県知事所轄学校法人では、都道府県知事が寄付金等に係る追加の監査事項の指定がなければ、「参考事項」の記載はないことになります。
ご参考に文科通知の該当箇所です。
6 任意の寄附金、学校債の取扱い (1)寄附金又は学校債の募集開始時期は入学後とし、それ以前にあっては募集の予告にとどめること。 なお、募集の開始前に応募の約束と受けとられるような行為をすることは厳に慎むこと。 |
(2)寄附金又は学校債を募集する場合は、学生募集要項において、応募が任意であること、入学前の募集は行っていないことなどを明記し、適切な実施に努めること。 また、寄附金又は学校債の募集趣意書等において、応募が任意であること、その使途その他必要事項を明記すること。 |
(3)入学者又はその保護者等関係者から寄附金又は学校債を募集する場合は、その額の抑制に努めること。 |
(4)学校債については十分な返還の見通しをたてたうえで募集を行うものとし、学校債の引受者に対して寄附金への変換を引受け時に約束させ、又はその後においても特別の事由のある場合を除くほか変換を要請しないこと。 |
(5)入学者又はその保護者等関係者から大学の教育研究に直接必要な経費に充てられるために寄附金又は学校債を募集する場合は、後援会等によらず、すべて学校法人が直接処理すること。 |
出典:http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t20021001001/t20021001001.html
(2)について
第2号基本金への組入れは、その基本金組入計画が理事会等の議決が適正な手続によって行われているかどうかを確認します。ものこの手続に関して重要な指摘事項があると認められる場合については、監査報告書に参考事項を記載します。こちらは、会計士協会の委員会報告32号です。
今日は、ここまでです。