2015年10月08日
【リース】「事実上解約不能と認められるリース取引」とは何?
こんにちは!今日は、銀行出身の事務長からのご質問です。
<Q>「事実上解約不能と認められるリース取引」とは何?
文科省のリース通知に「事実上解約不能と認められるリース取引」が出てきますが、具体的にはどういう事ですか?
<A>
1.まずリース取引の復習
まず、復習からしましょう。リースの会計処理ではリース取引を2つにわける理解することが必須です。
※事務局が無理矢理まとめた早見表
リース取引の種類 | 簡単判定基準 | 会計処理 | 例 |
ファイナンス・リース取引 | 「解約不能」+「フルペイアウト」 | 資産計上する | 多くのリース取引 |
オペレーティング・リース取引 | 上記以外のリース取引 | 賃貸借処理可 | レンタル取引 |
この表で、ファイナンス・リース取引の判定基準に「解約不能」と言う文言が出てきます。
2.文科省のリース通知から
ご質問の該当箇所を拾ってみます。
(3)「ファイナンス・リース取引」とは、リース契約に基づくリース期間の中途において当該契約を解除することができないリース取引又はこれに準ずるリース取引で、借手がリース物件からもたらされる経済的利益を実質的に享受することができ、かつ、当該リース物件の使用に伴って生ずるコストを実質的に 負担することとなるものをいう。 なお、上記において、「これに準ずるリース取引」とは、法的には解約可能であるとしても、解約に際し相当の違約金を支払わなければならない等の理由から、事実上解約不能と認められるリース取引をいう。また、「借手がリース物件からもたらされる経済的利益を実質的に享受する」とは、当該リース物件を自己所有するとするならば得られると期待されるほとんど全ての経済的利益を享受することをいい、「当該リース物件の使用に伴って生ずるコストを実質的に負担する」とは、当該リース物件の取得価額相当額、維持管理等の費用、陳腐化によるリスク等のほとんど全てのコストを負担することをいう。 |
文科省のリース通知は、企業会計のリース基準適用指針を参考にしていると思われるので、適用指針から該当箇所(リース基準適用指針の第6項)を引用します。企業会計の法規集から引用します。
6.解約不能のリース取引に関して、法的形式上は解約可能であるとしても、解約に際し、相当の違約金(以下「規定損害金」という。)を支払わなければならない等の理由から、事実上解約不能と認められるリース取引を解約不能のリース取引に準ずるリース取引として扱う(リース会計基準第36項)。リース契約上の条件により、このような取引に該当するものとしては、次のようなものが考えられる。
|
実は、リース通知やその実務指針でわからないことがあったら、企業会計のリース基準適用指針にヒントがたくさん書いてあります。
最後に上の表を加筆・修正しておきます。
※事務局が無理矢理まとめた早見表
リース取引の種類 | 簡単判定基準 | |
ファイナンス・リース取引 | 「解約不能」 | 【解約不能】 →法形式で解約不能 |
【事実上解約不能】 →規程損害金あり (法的に解約可能) | ||
「フルペイアウト」 | ||
オペレーティング・リース取引 | 上記以外のリース取引 | |
今日は、ここまでです。