2015年06月29日
【分析】帰属収支差額の意味
こんにちは!今日は、高等学校法人の理事の方からのご質問です。
<Q>帰属収支差額の意味
補正予算書の説明資料に、帰属収支差額が5%とあります。帰属収支差額の意味を教えて下さい。
<A>
帰属収支差額は、学校法人会計基準の用語でなく、事業団さんが提唱している財務分析の用語です。そこで、事業団さんの「今日の私学財政」(平成25年度版。高等学校・中学校・小学校編)のp66から帰属収支差額の説明を引用させていただきます。
6. 帰属収支差額比率
【計算式】 帰属収入−消費収入
帰属収入(H29.6.27校正)
【評 価】 高い方が良い
【比率の意味】
帰属収入から消費支出を差し引いた帰属収支差額の帰属収入に対する割合である。
この比率がプラスで大きくなるほど自己資金は充実されていることとなり、経営に余裕があるものとみなすことができる。
このプラスの範間内で基本金組入額が収まっていれば当年度の消費収支差額は収入超過を示すこととなり、この範囲を超えた場合は支出超過を示すこととなる。
この比率がマイナスになる場合は、当年度の帰属収入で消費支出を賄うことができないことの反映であり、基本金組入れ前で既に消費支出超過の状況にある。マイナスの要因が一時的あるいは臨時的である場合を別として、マイナスが大きくなるほど経営は窮迫し、いずれ資企繰りにも困難をきたすこととなる。
(下記の図表は、「今日の私学財政」からの引用させていただきました。字が小さくてすみません。)
【事務局コメント】
帰属収支差額比率は、帰属収入から消費支出を差し引いた帰属収支差額の帰属収入に対する割合です。この比率がプラスで大きくなるほど、自己資金は充実していることになり、経営に余裕があるとみなすことができます。
早わかりで言うと、ビジネス的に見た場合の「儲かっているか」、「採算がとれているか」の指標は帰属収支差額で、これは企業会計の経常利益に相当するものです。単年度の教育サービス事業で採算がとれているかどうかを見る上で、一番基本になる指標です(ソフト面)。
一概にはいえませんが、帰属収支差額比率は少なくともプラス、可能であれば10%以上が望ましいと考えられます。というのは、帰属収入から組み入れる基本金の平均が10%程度なので、帰属収支差額比率が10%以上だと、帰属収支差額10%から基本金の組入額10%を差し引いても、何とか採算がとれるからです。
なお、改正基準後(高校法人では平成28年度より適用)は、帰属収支差額は、基本金組入前当年度収支差額と名称変更をしています。
今日は、ここまでです。
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この記事へのコメント
【計算式】 帰属収入−消費収入
消費収入
じゃなくて
6. 帰属収支差額比率
【計算式】 帰属収入−消費収入
帰属収入
じゃないですか?
違っていたらすいません。