2015年02月23日
【資産】信託銀行の特定金銭信託の会計処理
<Q>信託銀行の特定金銭信託の会計処理
信託銀行で特定金銭信託をやっています。会計処理は現金ですか?それとも有価証券ですか?
<A>
特定金銭信託は、預金でもなく有価証券でのなく、貸借対照表で言えば、「特定金銭信託」として表示することが望ましいとされています。
特定金銭信託の会計処理については、ちょっと古いのですが公認会計士協会から昭和62年に「特定金銭信託の会計処理及び表示について」(学校法人会計問答集(Q&A)第9号) が公表されており参考になります。
短いQ&Aなので再掲してみます。
(質問1)特定金銭信託を貸借対照表において、預金として表示して差し支えないでしょうか。
(答)
(1)特定金銭信託は、資金の運用手段に他ならず、また、実績配当であり元本の保証がない等、支払資金として保有する現金預金とはその性質を異にする。
(2)また、学校法人会計基準は、支払資金を「現金及びいつでも引き出すことができる預貯金」と定めているとともに、昭和51年7月28日付文管振第215号通知では、資金収支計算書の支払資金有高と貸借対照表の現金預金有高とは一致することを求めている。
(3)よって、特定金銭信託を資金収支計算書において支払資金として表示することも、また、貸借対照表において現金預金として表示することも望ましくない。
(質問2)現金預金での表示が認められないのであれば、どのような科目で表示すればよいでしょうか。
(答)
特定金銭信託は、文字どおり信託銀行に金銭を信託して運用する金銭信託の一種であり、それ自体有価証券としての流通性を持っていないため、有価証券として表示することには無理がある。
したがって、特定金銭信託は、有価証券とは別の小科目、例えば資金収支計算書では大科目「資産運用支出」の小科目「特定金銭信託支出」、貸借対照表では「特定金銭信託」として表示することが望ましい。
それと、文科省の通知で元本保証のない特定金銭信託などで資産を運用することについては、「そのリスクを十分に考慮して慎重な対応をしなければならない。学校法人における運用については、その運用の形態・方法に関しては基本的に学校法人の責任において判断すべき事項であるが、安全性を重視し、慎重な取組みをすることが望まれる。」となっているのでご留意下さい。
※「学校法人における資産運用について(通知)」H21.1.6。20高私参第7号。
今日は、ここまでです。