2014年11月05日
【補助活動】スクールバスの収入と経費
<Q>スクールバスの収入と経費
この高校は、駅から4キロ離れており公共交通機関がありません。そこで、学校ではスクールバスを運営しています。
この場合、生徒から受け取る収入と経費の会計処理、特に教管区分を教えて下さい。
<A>
まず、収入は小科目を追加していないのであれば(大科目)事業収入(小科目)補助活動収入になるでしょう。
学校法人会計基準の別表を引用します。
大科目 | 小科目 | 備考 |
事業収入 | 補助活動収入 | 食堂、売店、寄宿舎等教育活動に付随する活動に係る事業の収入をいう。 |
次に経費です。むしろ学校法人会計に詳しい人が迷いそうなところです。と言うのは、経費の教管区分の指針になる文部省の雑管第118号通知に、次のものがあるからです。
教育研究経費と管理経費の区分について 次の各項に該当することが明らかな経費は、これを管理経費とし、それ以外の経費については主たる使途に従って教育研究経費と管理経費のいずれかに含めるものとする。 ……… 6.補助活動事業のうち食堂、売店のために要する経費 ……… |
基準の食堂、売店は購入が任意であり、在校生に対するサービス的性格を持っていますが、今回のスクールバスは、生徒の通学方法の確保を言う見地から必須の事業であり、教育的配慮の必要が高い事業と考えられます。従ってスクールバスの経費は、教育研究経費にすべきものと考えられます。
雑管118号の後に公表された会計士協会Q&A第6号では、
(1)食堂、売店及び全寮制以外の寄宿舎に係る経費(支出)は管理経費(支出)とし、全寮制寄宿舎に係る経費(支出)は教育研究経費(支出)とする。 (2)上記(1)でいう全寮制とは、教育研究目的により1年生全員の寄宿を義務付ける等の場合をいうのであって、単に遠隔地からの学生の一部に対して寄宿舎を用意しておく場合は含まれない。 |
つまり、(2)では全寮制寄宿舎のような教育性の高い補助活動事業の経費を教育研究経費としています。
教育性の判断には、主観が入りますが、事務局の考えを整理すると
補助活動の種類 | 食堂、売店 全寮制でない寄宿舎 | 全寮制寄宿舎 代替の交通手段のない場合のスクールバス |
教育性 | 低い(学校教育に必須とは言えない) | 高い |
経費の取扱い | 管理経費 | 教育研究経費 |
今日は、ここまでです。