2014年10月15日
【内訳表】内部勘定の取り扱い
<Q>内部勘定の取扱い
現在、新学校法人会計基準のシステム移行を進めています。
改正基準の事業活動収支計算書について内部勘定の取扱いを整理しています。企業会計と学校会計では内部勘定の取扱いは同じですか?内部勘定を相殺すべきか迷っています。
<A>
内部勘定については、学校会計と企業会計で同じ部分もあれば違う部分もあります。全く同じ考えではないのでご注意下さい。
まず、企業会計の考え方です。
(1)企業会計の場合
企業会計上、内部取引高を相殺するのは収益費用の過大計上をなくすためであり、内部利益の除去は未実現利益の計上を除くためと考えられます。
内部取引高について相殺処理がとられるのは、企業会計の報告書が全社的な数値を対象としたものです。
次は学校法人会計です。
(2)学校法人会計の場合
学校法人会計の報告は全体計算と、部門別計算として内訳表が求められています。内訳表の作成が求められるため内部取引高の除去について、取引の形態によっては、企業会計とは別の表示も考えられます。
(3)結論
学校法人会計は、各部門の教育研究活動を正しく把握する必要のある取引については、内訳表の各部門の内部取引高を除去しないで収入・支出をそのまま表示し、内訳表の総額をもって消費収支計算書を作成することが望ましいことがあります。
例えば、大学と幼稚園を設置する大学法人で、学生が幼稚園で教育実習を行い大学が幼稚園に謝礼金を払った場合、学校会計では、内訳表の大学部門の「教育実習費」が計上され、幼稚園部門には「雑収入」が計上され相殺されません。企業会計であれば、内部取引なので教育実習費と雑収入は相殺表示され損益計算書が作成されます。
今日は、ここまでです。