2014年07月04日
【償却】グループ償却で備忘価額を残さない理由
こんにちは! 今日は、先日、高校さんでいただいたご質問です。
<Q>グループ償却で備忘価額を残さない理由
机・椅子などをグループ償却で償却している場合、償却が終わると備忘価額を残さないのではどうしてですか? 帳簿から全く消えてしまい困るような気がするのですが?
<A>
グループ償却で備忘価額を残さないと決めた当時の会話を再現します。
本日の出典・参考資料は、「学校法人の減価償却に関する監査上の取扱い(学校法人委員会報告第28号)です。
机・椅子などのグループ償却は、事務手続の簡素化のため、多くの学校法人で採用しているようです。
さて、このグループ償却を採用している学校では、備品が存在する限り、その存在を明らかにするため、また備品等の管理目的の上からも、備忘価額を付して、会計上も記録を残すべきであるという意見も有力です。論理的には、この意見は正しいものでしょう。
しかし、「グループ償却」を採用している場合に、備品等に備忘価額を付すとすれば、1点ごとに備忘価額を付さなければならないであろうし、備品等の除却の際の手続も煩雑となり、事務手続の簡素化という目的から「グループ償却」を採用していながら、その目的を達することができなくなります。
このような見地から、「グループ償却」を採用している場合は、償却が完了した会計年度に備品等の除却処理をしても、現にある備品について、固定資産台帳の中に「簿外管理台帳」を設ければ、現品の管理目的も達せられるということで、意見の一致をみたのでした。
今日は、ここまでです。