2014年04月24日
【高校】就学支援金の会計処理の注意点
<Q>就学支援金の会計処理の注意点
新年度より授業料の担当になりました。就学支援金の会計処理で注意点があれば教えてください。
<A>
就学支援金については、一般的な注意点は文科省のホームページにあります。
会計的には、就学支援金が学校からとあくまでも預り金なので、就学支援金の有無にかかわらず一年間の授業料の計上額は変わりません。
それでは、今日は、以下、文科省のホームページを引用します。
7 就学支援金の代理受領、授業料との相殺
(1)私立高等学校等の取扱い
学校設置者は、都道府県から就学支援金を受給権者である生徒に代わって代理受領し、受給権者である生徒の授業料債権への弁済に充てるものとする。これは、事務経費を極力抑えるとともに、就学支援金が確実に授業料の支払いに充てられることを担保するためである。
なお、支給対象高等学校等が都道府県立の高等学校である場合は、就学支援金を生徒に対する授業料債権の弁済に充てることは同様であるが、学校設置者と就学支援金の支給者が同一となるため、(都道府県から交付される就学支援金を学校設置者が生徒に代わって受領するという意味の)代理受領は行われない。
就学支援金の代理受領と授業料債権の弁済において留意すべき事項は以下のとおり。
(留意事項)
ア 施設整備費など授業料以外の納付金については就学支援金の支給対象としない。
イ 年度途中に就学支援金の受給資格認定を申請した場合、申請をした月(月の初日に在学していない場合は翌月)から支給し、「やむを得ない理由により・・・申請をすることができなかった場合」(法第6 条第3 項)に当たると認められる場合を除いて、遡って就学支援金を支給できない。
ウ 当該年度の支援金をもって前年度の授業料債権の弁済に充てることはできない。(例えば4 月に支給された就学支援金を3 月の授業料の弁済に充てる等)
エ 授業料と、以前に支払われた就学支援金との相殺後の差額を滞納しているような場合でも、納付期限の到来により新たな授業料債権が発生した場合、就学支援金をもってこれを弁済することができる。
オ 月の途中で生徒が転学した場合、その月の初日に在籍していた学校の設置者が就学支援金を代理受領する。
なお、月の途中で他の高等学校等に転学等をした生徒については、転学等をした後の高等学校等においては同月分の就学支援金は支給されないため、同一の都道府県立の高等学校等の場合は、転学元の高等学校等で授業料を課し、転学等をした後の高等学校等において同月分の授業料を徴収しないこととすることが望ましい。
カ 学校設置者において就学支援金を代理受領した際に、すでに生徒又は保護者が授業料を納入しているため授業料債権が存在しなくなっている場合には、就学支援金を代理受領した学校設置者は、当然に受給権者である生徒に就学支援金を引き渡す義務を負うことになる。
キ 代理受領した就学支援金は、「授業料」として会計処理を行う。なお、就学支援金に係る原資等を都道府県から受け入れた場合には、一旦「預り金」として受け入れ、授業料の納付期限が到来したときに「預り金」で受け入れた就学支援金のうち確定した就学支援金に相当する額を、「授業料」に振り替えることが妥当である。
なお、参考までに、就学支援金を収納した場合の仕訳は次のようになる。
【月次で授業料収入を収納している学校法人が、授業料から就学支援金相当額を差し引いた額をあらかじめ生徒から収納し、かつ、就学支援金を都道府県から受け入れた場合】
○ 就学支援金3 月分が、都道府県から学校法人に入金されたとき 就学支援金3 月分全額について、「預り金」で処理 (借)現金預金××× (貸)預り金受入収入××× ○ 授業料の納付期限が到来したとき 生徒からの入金分を「授業料」で処理し、就学支援金について「預り金」で処理したうち1 月分を「授業料」に振り替え (借)現金預金 ××× (貸)授業料収入注(1) ××× 預り金支払支出××× 授業料収入注(2) ×××
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注(1) 授業料から就学支援金相当額を差し引いて生徒から収納した額
注(2) 就学支援金について「預り金」で処理したうち1 月分の額
【月次で授業料収入を収納している学校法人が、就学支援金を都道府県から受け入れる前に、生徒から授業料全額をあらかじめ収納する場合】
○ 生徒から授業料全額を収納したとき (借)現金預金××× (貸)授業料収入××× ○ 就学支援金3 月分が都道府県から学校法人に入金されたとき 就学支援金3 月分全額について「預り金」で処理し、就学支援金について「預り金」で処理したうち生徒への返還相当額を「現金預金」に振り替え (借)現金預金 ××× (貸)預り金受入収入××× 預り金支払支出××× 現金預金 ×××
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ク 学校設置者が預り金として就学支援金を受け入れている間は、他の資金と明確に区別し、透明性のある会計処理を行う必要がある。また、この間、就学支援金を預金することにより利息収入が生じないよう、就学支援金のみの当座預金口座等により管理を行うことが望ましい(なお、やむを得ない事情により当座預金口座等による管理が行えない場合は、当該利息収入を学校の教育活動に係る経費等に充当することは可能)
出典:
高等学校等就学支援金事務処理要領(新制度)(第1版) (PDF:1262KB)
又は
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/__icsFiles/afieldfile/2014/04/03/1345899_01.pdf
今日は、ここまでです。