2014年05月14日
【人件費】高校の「本務と兼務」の区別がややこしい理由?
こんにちは! 高校学校法人の法人事務局からのご質問です。たまにいただくご質問なので今回は少しニュアンスを変えてご回答します。
<Q>本務と兼務の区別
本務教員と兼務教員の区別の基準が学校会計の本を読んでもよくわかりません。どうしたら良いですか?
<A>
都道府県に確認するのが一番の近道です。
<説明>
基本的な考え方は、「教職員の別及び本務・兼務の別は、この計算書類作成の目的から、所轄庁より受ける経常費補助金の交付要綱などに準拠すべきである。」とされています(野崎先生p69)。つまり、学校会計の一般ルールは説明できるのですが、最終的には知事所轄学校法人の場合は、都道府県知事に確認することになります。実際に、本務と兼務の区別は都道府県により微妙に違いが見られます。
1.大学の場合
所轄庁が文科省なので、ルールは1つです。いわゆる発令基準です。
私立大学等経常費補助金取扱要領では、このほか、当該学校法人から主たる給与の支給を受けており、かつ当該私立大学等に常時勤務していることを専任教員の要件に加えています(「本務」と「専任」は、この場合同義に解して差し支えない。)。また専任職員については、主たる給与を受けており、かつ当該学校法人の設置する私立大学等に常時勤務している者(当該私立大学等に係る職務に主として従事している者を含む。)としています。(野崎先生p69)
2.知事所轄学校法人の場合
「高等学校以下についてもこれに準じて各都道府県のそれぞれの交付要綱等による区分に従うべきである。」とされています(野崎先生p69)。実際、知事所轄学校法人では、各都道府県における私立学校経常費補助金交付要綱に基づいて定められる専任教職員の要件が、私立大学等の場合と必ずしも同一ではなく、また各都道府県によっても異なるため、専任の教職員か否かをもって、本務、兼務の区分の基準とならないが考えられます。
そこで所轄庁(都道府県知事…実務は都道府県の学事課など)に確認するのがベストです。知事所轄学校法人の本務・兼務の区分は都道府県別ルールによります。
今日は、会計士協会のQ&A人件費関係でなく、野崎先生の本を利用して説明しました。ここまでです。