2013年04月02日
【決算】平成24年度学校法人決算の改正点
こんにちは! 会合でお会いした大学法人の経理の方からのご質問です。
<Q>平成24年度 学校法人決算の改正点
24年度決算で、改正された会計処理を教えてください。
<A>
今年は会計処理の変更点は多くありませんが、下記の点は改正されました。
1.大学法人の場合
(1)退職給与引当金の戻入
大学の場合は、退職給与引当金の会計処理が変わりました。
大学では、私大退職金財団に対する掛金の累積額が交付金の累積額を上回る場合には、当該繰入調整額を、引当金要繰入額から控除して退職給与引当金繰入額を算出します。この場合、控除する当該繰入調整額が引当金要繰入額を上回る場合には、当該額を退職給与引当金戻入額として処理することになりました。
この戻入は、「「退職給与引当金の計上等に係る会計方針の統一について(通知)」に関する実務指針」の一部改正(学校法人委員会実務指針第44号。H25.1.15)が日本公認会計士協会)が公表され、この中のQ1-1-2で戻し入れが指示されています。会計年度途中での会計ルールの変更なので注意です。従来は、学校法人委員会報告第29号(日本公認会計士協会)で戻し入れは認めていませんでした。
2.知事所轄学校法人
都道府県知事より新しい通知が出た場合は別ですが、文科省や日本公認会計士協会からの発出物で特に新たに変更された会計処理はありません。
3.共通
(1)理事者確認書
学校が公認会計士に提出する理事者の確認書のひな型が少し変わりました。
内容的には、ほぼ同じなのですが、順番が整理されました。
理事者と言うのは、学校ではあまり聞き慣れない言葉です。「理事者」は、公認会計士が使う言葉で、一般企業で「経営者」と言うのをもじって、学校法人会計では「理事者」と言っています。
※学校法人委員会研究報告第14号「理事者確認書に関するQ&A」(H25.1.15)
4.参考
会計士協会からの発出物で会計処理等の変更か示されたものです。
(1)「退職給与引当金の計上等に係る会計方針の統一について(通知)に関する実務指針」の一部改正(学校法人委員会実務指針第44号。H25.1.15)
【説明】大学法人で退引の戻入が指示された。
(2)「計算書類の様式等のチェックリスト及び科目別のチェックリスト」の一部改正(学校法人委員会研究報告第8号。H25.1.15)
【説明】本来は会計士が利用するチェックリストですが、参考になります。
(3)「理事者確認書に関するQ&A」改正(学校法人委員会研究報告第14号。H25.1.15)
【説明】理事者の確認状のひな形の記載する項目の順番が変わりました。
今日は、ここまでです。