2013年03月05日
【幼稚園】幼稚園のスクールバスの経費
<Q>幼稚園のスクールバスの経費
○○幼稚園から会計処理について以下のような質問がありました。幼稚園のスクールバスは、管理経費と教育研究経費のどちらで処理すればよいでしょうか。
<結論>
経費の教育性を見極める難しい問題です。
以前は、「全園児に利用をバスの利用を義務づける場合は教育研究経費、一部の園児が利用する場合は管理軽費」と割り切っていました。
しかし、H19年に文科省から通知が出て幼稚園のスクールバスの教育性が明示され教育研究経費処理を後押しできるようになりました。
園の説明の考え方は下記の通りです。
パターン |
教管区分 |
根拠 |
全園児の利用が義務づけ |
教育研究経費 (収入は補助活動収入) |
会計士協会 Q&A第6号のQ4とQ7 |
一部の園児が利用 |
管理軽費 (収入は補助活動収入の場合) | |
教育研究経費 (収入は学納金収入の場合) |
H19.1.19文科省通知(18初幼教第11号) 園児の安全確保・幼児教育固有の必要性がある |
<説明>
1.平成18年までの会計処理
この時代は、会計士協会から出ている学校法人会計問答集(Q&A)第6号「教育研究経費と管理経費の区分について」(昭和61年)が判断の目安になっていました。
ここでは、スクールバス事業の教育性の有無については、種々の主張があり、その性格付けは難しいところですが、今回の会計問答集は、経費(支出)の区分の割り切りにあるので、これらの事業についても質問4の取扱いと同様に考え、
・全園児に利用を義務づける場合→教育研究経費
・一部の園児が利用する場合→管理軽費 としていました。
2.現在の考え方
その後、H19.1.19文科省通知(18初幼教第11号)により、消費税の取扱いに関連してですが、幼稚園におけるスクールバスの安全確保の観点からスクールバス代を保育料や施設設備費に含めて定めることが認められました。
このようなスクールバスによる安全確保は、幼児が未就学年齢であることに起因するものであり、幼児教育固有の必要性があるとされました。ここでは、教育性が読み取れるのでスクールバスに係る支出は教育研究経費で処理することも妥当と考えられます。
今日は、ここまでです。