2013年02月20日
【経営】大幅な消費収支超過額が出る!
<Q>幼稚園の理事長先生からのご質問
来年度、大規模は修繕工事をする予定で金額が1800万円程度かかります。そうすると、消費支出超過額が1000万円となってしまします。予算は本来、プラスの収支で終えたいと思うのですがマイナスでも良いのでしょうか。
理事会では、収支のマイナスについて特に意見がありませんでした。
<ご回答>
幼稚園の詳細がわかりませんので、いただいた情報内でのご回答になります。ご参考になれば幸いです。
要点は3点です。
1.会計処理
学校会計は、本来、収支均衡が望ましいのですが(学校法人会計基準第15条)、実務では、毎年、どうしても収支差額はぴったりにすることは出来ません。
単年度で消費支出超過額が1000万円ほど生じるも会計上の問題は出て来ません。
2.私立学校法
予算については、私立学校法で評議員会の諮問事項ですので予め評議員会の諮問を受けていることが必要です(私学法第41条)。評議員会の後は、理事会の決議を受けます。
なお、理事会で他の理事の意見がないのは、他の理事は予算書の読み方がわからない場合がありますので分かりやすい予算説明にご留意下さい。
3.経営面・資金面
他の園でも大規模修繕の実施、新しい園の設置、多額の退職金の支払い等、多額の支出が伴う年度の単年度の収支はマイナスになることはあります。
しかしながら、長期的には収支を継続してプラスにする見込みと、また、資金繰り面でも借入金に頼らないような経営が幼稚園経営には必要になります。
幼稚園経営で収支のマイナスが続いたり、借入金に頼ったりし過ぎることは望ましいことではありません。なぜならその状態が続くと、いつかは必要な支払ができなくなり、園の経営が止まってしまうからです。教育研究事業を行う学校法人では永続性がとても大切になっています。
それでは、幼稚園の益々のご発展を祈念しております。
今日は、ここまでです。