2012年08月08日
【助成法】ミニ逐条解説スタート
こんにちは! 今年の夏休みは続いて私立学校振興助成法を各条読み込んでいきます。私立学校振興助成法は、昭和50年生制定され、昭和51年4月より施行されました。
今日は、振興助成法のイントロダクションです。
私立学校振興助成法の概要
私学助成は、昭和45年度に私立大学等経常費補助金が創設され、私立大学等の人件費を含む教育研究に係る経常的経費に対する補助が開始されたこと、また高等学校以下の私立学校に対しても都道府県において経常費補助が行えるよう地方交付税により都道府県に対する財源措置が講じられるようになったことにより格段の充実が図られました。
しかしながら、その後の物価の高騰や人件費の上昇による経常費の増大は、私学側の自主的努力による収入の伸びを上回り、私学財政は支出超過が増幅する方向にありました。また教育研究条件は、例えば私立大学でみると高等教育に対する国民の需要が急速に高まるなかで入学者の大半を受け入れざるをえなかったという事情もあり、いわゆる水増し率や教員1人当たり学生数でみた教育条件は国・公立学校と比較してなお相当な格差がありました。これらの事情を背景として、私学助成について法律の制定を求める声が高まり(第72回国会には、衆参両院合わせて2000万人を超える署名を集めた請願が行われました。)、昭和50年7月議員立法というかたちで私立学校振興助成法が成立し、昭和51年4月から施行されました。
この法律は、私学振興助成についての国の基本的姿勢と財政援助の基本的方向を明らかにしたものであり、私立学校が国の財政援助についての法的保障の下に教育条件の維持向上などの努力ができることになったという意味で、私学振興史上画期的な措置といえるものです。
これによって、次のことが実現しました(昭和50年創設)。
◆私立大学等経常費補助金の法的根拠が整備 |
◆私立高等学校等経常費助成費補助金の法的根拠が整備 |
◆税制上の優遇措置など私学振興施策の充実 |
この法律は第3条で学校法人の責務として「学校法人は…自主的に財政基盤の強化を図り…修学上の経済的負担の適正化を図るとともに…教育水準の向上に努めなければならない」としており、また、「補助金適正化法」は第3条で関係者の責務として「…補助金等が国民から徴収された税金その他の貴重な財源でまかなわれるものであることに留意し、法令の定及び補助金等の交付の目的又は間接補助金等の交付若しくは融通の目的に従って誠実に補助事業等又は間接補助事業等を行うように努めなければならない」旨規定しています。学校法人のこうした責務とさらに現下の厳しい国の財政状況の下で多額の公費が私立学校に投入されている意義を十分踏まえ、私立学校が効率的な学校経営を図るとともに教育水準の向上に努め、建学の精神を生かした特色ある学校づくりに格段の努力を傾注すべきことが関係各方面から期待されています。
(ここまでは文科省のホームページを参考に加筆しました。)
助成法の構成です。
第1条 (目的)
第2条 (定義)
第 3条 (学校法人の責務)
第4条 (私立大学及び私立高等専門学校の経常的経費についての補助)
第5・6条 (補助金の減額等)
第7条 (補助金の増額)
第8条 (学校法人が行う学資の貸与の事業についての助成)
第9条 (学校法人に対する都道府県の補助に対する国の補助)
第10条 (その他の助成)
第11条 (間接補助)
第12条 (所轄庁の権限)
第12条の2・13条 (意見の聴取等)
第14条 (書類の作成等)
第15条 (税制上の優遇措置)
第16条 (準学校法人への準用)
第17条 (事務の区分)
なお、私学助成法を解説する文部省の通知には、「私立学校振興助成法等の施行について(昭51.4.8文管振第153号)」があります。
詳細は、文科省のホームページ内にあります。
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t19760408001/t19760408001.html