【小科目】形態分類と目的分類の違い【決算】学校会計23年度決算の留意点(2)<会計方針統一通知2>

2012年03月12日

【決算】学校会計23年度決算の留意点(1)<会計方針統一通知1>

案内こんにちは!平成23年度の決算が近づいて来ました。そこで、今日は、平成23年度の学校法人決算の留意点をまとめていきます。今日は、第1回です。

 

まず、一番のトピックは各学校の会計方針がバラバラなので統一しようと言うことで文科省から会計方針統一通知が出ています。幼稚園法人から大学法人まで適用される新ルールです。

 

【1】退職給与引当金の計上は100%基準(23年度決算より)

 従来は、各学校で50%基準もあれば、100%基準の学校もあり、会計処理がバラバラでした。そこで、

(1)100%基準

 各学校法人は、退職給与規程等に基づいて算出した退職金の期末要支給額の100%を退職給与引当金として計上します。

 と言うことは、従来より100%基準の学校は、そのまま変更なしで、従来通りの決算を続けます。以下は、100%基準でない学校だけの取扱です。

 

(2)変更時差異の会計処理

変更時差異(平成22年度末の退職金の期末要支給額の100%を基にして計算した額と、平成22年度末の退職給与引当金残高との差額)は、原則23年度決算に「退職給与引当金特別繰入額」として一括計上する。

 もし一括計上出来ない場合は、10年以内の期間をもって毎年度均等額を計上することもできます。

 この分割計上の期間ですが、ちょっとおかしな話ですが、この期間を将来短くすることはできますが、長くすることはできません。つまり、早く決算に繰り入れて下さいという趣旨です。

例:変更時差異:従来50%基準の学校の例

平成22年度末

退職給与引当金

(100%基準)

変更時差異

 

平成22年度

退職給与引当金

(50%基準)

 

(3)変更時差異の表示

独立の小科目で表示してわかりやすくします。

大科目

小科目

備考

人件費

教員人件費

 

職員人件費

 

役員報酬

 

退職給与引当金繰入額

 

退職給与引当金特別繰入額

原則一括計上。10年内均等分割可

 

(4)注記:重要な会計方針の注記

法定の注記が7つありますが(基準34条)、1番目と2番目の注記です

退職給与引当金の計上基準は、「重要な会計方針」として記載します。

文科省の通知により退職給与引当金の計上基準を変更した場合には、その内容を「重要な会計方針の変更等」に記載する必要があります。

 注記例は、文科省通知の別添資料にあります。 

 

(5)注記2:その他財政及び経営の状況を正確に判断するために必要な事項

 変更時差異を平成23年度に一括計上しないで毎年度均等繰入する法人は、「その他財政及び経営の状況を正確に判断するために必要な事項」に記載して説明します。

 書く内容は、変更時差異の額、退職給与引当金特別繰入額の累計額、繰入年数、経過処理年数を記載します。

 注記例は、文科省通知の別添資料に書いてあります。 

 

(6)注記3:消費収支計算書

 消費収支計算書では「退職給与引当金特別繰入額」についての科目の説明を注記します。この注記は必ずします。

 

<もっと詳しく知りたい方↓>

●「退職給与引当金の計上等に係る会計方針の統一について(通知)」

(H23/2文部科学省。22高私参第11号)

 http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1302501.htm

  この説明を会計士協会が行っています。

●『「退職給与引当金の計上等に係る会計方針の統一について(通知)に関する実務指針」』(H23/5。学校法人委員会実務指針第44号)

 

 続きは明日です。



kaikei123 at 07:09│Comments(0)TrackBack(0) 《特集》H23年度決算の留意点 

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