【私学法第50条の2〜17】解散・清算規定【私学法第52条】(合併手続)

2011年09月28日

【私学法第51条】(残余財産の帰属)

お金 こんにちは! なるべく毎日、私立学校法を一条ずつ読み込んでいます。今日は、51条(残余財産の帰属)です。

 

 

 

【私立学校法第51条】(残余財産の帰属)

1 解散した学校法人の残余財産は、合併及び破産手続開始の決定による解散の場合を除くほか、所轄庁に対する清算結了の届出の時において、寄附行為の定めるところにより、その帰属すべき者に帰属する。

 

 前項の規定により処分されない財産は、国庫に帰属する。

 

 国は、前項の規定により国庫に帰属した財産(金銭を除く。)を私立学校教育の助成のために、学校法人に対して譲与し、又は無償で貸し付けるものとする。ただし、国は、これに代えて、当該財産の価額に相当する金額を補助金として支出することができる。

 

 前項の助成については、私立学校振興助成法(昭和50年法律第61号)第11条から第13条までの規定の適用があるものとする。

 

 第2項の規定により国庫に帰属した財産が金銭である場合には、国は、その金額について第3項ただし書の処置をとるものとする。

 

 第2項の規定により国庫に帰属した財産(金銭を除く。)は、文部科学大臣の所管とし、第3項本文の処分は、文部科学大臣が行う。ただし、当該財産につき同項ただし書の処置がとられた場合には、当該財産を財務大臣に引き継がなければならない。

 

【説明】

1.    本条の趣旨

 本条は、学校法人が解散した場合の残余財産の帰属について定めています。

 

2.残余財産の帰属順位

 学校法人の財産の帰属について、本条第1項から第3項に規定があります。

 それによると

<第1順位>寄附行為で決めた者(本条第1項)。

     この者は、他の学校法人その他教育の事業を行う者(私学法第30条第3項)。より具体的には、個人立の幼稚園、専修学校、公益法人などが考えられます。

 

<第2順位>国庫に帰属(第2項)。教育用に利用する(第3項)。

 としています。

 このように私学法は、学校法人の残余財産の帰属順位については、永続的にに教育の事業に供されることとなるよう配慮していています。

 

3.民間教育事業者への帰属

 学校法人に設立当初寄附された財産は、教育事業に利用され、設立後も、卒業生、父兄の協力や公的助成によって作られたものであるから公益性が高く、解散時の残余財産の帰属者を学校法人その他教育の事業を行う者に限定しています(私学法第30条第3項、第51条第1項)

 

 また、これにより処分されない財産は国庫に帰属するものとし(私学法第51条第2項)、その場合には、国はその財産を私立学校教育の助成のために使用しなければらならないこととされている(同条第3)

 

4.国への帰属

 国庫に帰属するのは、寄附行為に残余財産の帰属者に関する定めがないときや、清算結了時に財産の帰属者がない場合です。

 

 国庫に帰属した場合、残余財産が金銭である場合には、これに相当する金額を私立学校教育の助成のために補助金として支出します(本第3項〜第5項)

 

 しかし、残余財産が金銭以外の場合には、国はこれを私立学校教育の助成のために学校法人に対して譲与したり、又は無償で貸し付けるか、これに相当する金額を補助金として支出するものとされています(本条第3項)

 なお、これらの助成については、私立学校振興助成法(以下、助成法)第11条から第13条までの規定が適用されます(本条第4項)

 

※助成法第11条から13条要旨

助成法第11条(間接助成)

 国は、日本私立学校振興・共済事業団法の規定による助成で補助金の支出又は貸付金に係るものを日本私立学校振興・共済事業団を通じて行うことができる。

助成法第12】(所轄庁の権限)

 補助金を受ける学校法人に対する報告聴取等の権限(12)

助成法第12条の2】(意見の聴取等)

 所轄庁が入学者数について是正命令をする場合における私立学校審議会等への意見聴取

助成法第13

 所轄庁が予算変更又は役員の解職について勧告をする場合における弁明の機会付与等について規定している。



kaikei123 at 07:22│Comments(0)TrackBack(0) 【法】 私立学校法・ミニ逐条解説 

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