2011年07月04日
【運営】補正予算の手続き
こんにちは! 都内の私立高校から補正予算についてのご質問です。
<Q>3月の理事会で平成23年度の当初予算が承認されているのですが、その後、地震の関係で建物の修繕工事が必要になりました。金額が大きいので補正予算をくみたいのですが、手続きを教えて下さい。
<A>補正予算の一般的な手続きです。
(1)補正予算の作成
予算を変更した場合でも,当初予算の予備費の使用,科目間の流用について理事会等から一定限度の範囲内において理事長に任される場合は,届出る必要はありませんが、今回は震災に伴う建物の大規模は修繕とのことで予備費では間に合いそうもありません。
今回のように年度の途中において、事情の変化等により、当初の予算を実行することが不適当になった場合には、速やかに予算規程若しくは経理規程に基づいて予算修正(補正予算の計上)の手続きをとることになります。
(2)評議員会の開催
そして、私立学校法では,学校法人の予算については,あらかじめ評議員会の意見を聞かなければならないと定めています(私学法第42条)。
(3)理事会の開催
理事会の議決を要する場合か否かは、最終的には寄附行為、当初予算、経理規程その他当該法人の内部規律に拠って判断しますが、今回の場合は、おそらく金額が大きいとのことで理事会決議が必要になりそうです。
(4)最後は「所轄庁」への届出となります。
高校の場合は、所轄の都道府県知事に速やかに補正予算の届出を行います。
例えば、東京都の場合は、「収支予算書を届け出た後に、当該収支予算書に係る収支予算を変更したときは、変更後の収支予算書をすみやかに知事に届け出ること。」となっています。
※「私立学校振興助成法第14条の規定に基づく貸借対照表、収支計算書その他の財務計算に関する書類の監査事項の指定及び届出並びに収支予算書の届出に係る取扱いについて(通知)) 昭和57年10月1日 57総学二第209号。最終改正 平成6年2月1日 5総学二第761号。学校法人理事長あて 東京都総務局長通知
なお、大学のような文部大臣所轄法人が予算を変更した場合は、文部大臣に届け出ます。
※「財務計算に関する書類及び収支予算書の届出について(通知)」
(昭和51年4月8日文部省管理局長通知 文管振第158号)
<まとめ>
補正予算の作成…予算規程、経理規程で補正の予算のルールを確認
↓
評議員会の諮問…私立学校法第42条
↓
理事会開催………寄附行為、経理規定などで開催の要否を確認
↓
所轄都道府県知事へ速やかに届出……理事会開催時の予算は届出