2010年05月25日
【議事録】決算理事会の順番に注意(2)
この時期、決算理事会の順番に勘違いする学校を見かけるので注意点をまとめました。今日は、公認会計士監査がある学校法人さんの場合です。
公認会計士監査がある場合、「監事監査→理事会→評議員会」の順番のどこに入るのでしょうか? 公認会計士監査は私立学校法には登場しません。公認会計士監査は、「公的な補助金をもらった場合に公認会計士監査が必要になりますよ」と言う私立学校振興助成法と言う法律に登場します。
そもそも公認会計士監査は、経常費補助のある文部科学省所轄の大学や知事所轄の高校・中学・小学校・幼稚園(助成法14条)、運営費補助のある専修学校(高等課程)に義務づけられています。ですから、専修学校(専門課程)だけの学校法人には公認会計士監査は法律の上では義務となっていません。
さて、文科省の通知では、経常費補助金をもらっている学校法人は、計算書類に公認会計士の監査報告書を付けて6月末までに所轄庁に提出しなければならないことになっています。
迷うのは、先の「監事の監査報告書→理事会開催→評議員会開催」の流れと公認会計士監査の順番です。具体的には、公認会計士から何日日付の監査報告書をもらうかです。実際の場面では、会計士は、学校法人に事務長から「決算理事会で決算決議の通りがよいので早く監査報告書を下さい」とよく言われます。ホントに学校では、理事会開催前に公認会計士の監査報告書を受け取るのが良いのでしょうか??
ここの順番ですが、次の2つの理由から公認会計士の監査報告書の順番が一番最後になります。
理由の一つ目は、私立学校法では法人内部では5月末までに決算を確定すべしとあるのに、公認会計士監査の期限は文科省の通知で6月末までと私立学校法より1ヶ月遅いことと。理由の二つ目は、内部機関の監査である監事監査を行い、かつ理事会で決算承認を行い内部で決算を確定させた後に、外部機関である公認会計士が監査報告を行うのが適当と考えられるからです。
この順番は、大手の監査法人でも間違っていることがあります。もし、この順番を間違えると、所轄庁の調査で法令違反として指摘されてしまいます。こんな順番のことで学校が損する必要はありません。注意したい5月の決算理事会の一連の順番です。