2007年09月10日
【26条】減価償却をする
第26条(減価償却)
固定資産のうち時の経過によりその価値を減少するもの(以下「減価償却資産」という。)については、減価償却を行うものとする。
2 減価償却資産の減価償却の方法は、定額法によるものとする。
【解説】
1 本条の趣旨
本条は、減価償却資産について、定額法で減価償却を行うべきことを定めています。
2 定額法
本条は、減価償却を実施すること、ならびに減価償却の方法は定額法によることを定めたものです。定額法の算式を示します。
減価償却額=(取得価順一残存価額)÷耐用年数
定額法は、毎年、同じ金額だけ価値が減少していくと考えます。計算すると、毎年同じ金額の減価償却額が計算されます。学校会計が定額法を採用したのは、計算方法が簡単で期間比較がしやすいからです。
例えば、機器備品を100万円で購入して、耐用年数が5年で5年後の残存価額を0円とすると、当年度の減価償却額は、以下のようになります。
(取得価額100万円一残存価額0円)÷耐用年数5年=20万円/年
3.図書は減価償却なし
固定資産のうち校舎(建物)、パソコン(機器備品)、スクールバス(車輔)など時の経過によりその価値を減少する資産は、減価償却資産といいます。
他方、学校会計では、固定資産のうち、図書については時の経過により価値が減少するか価値判断が必ずしも統一されていないので、原則、減価償却はしません。
図書の会計処理に関する学校法人財務基準調査研究会報告で、次のような取扱いをすることとしています。
「固定資産に属する図書であっても、原則として減価償却経理を必要としないものとする。このように減価償却を行わない場合で、図書の管理上除却の処理を行ったときは、当該図書の取得価額をもって消費支出に計上するものとする。
除却による経理が困難なときは、総合償却の方法によって減価償却経理を行うことができる。」
4.減価償却額の秘密
学校会計では、「減価償却費」と言わずに「減価償却額」と言います。
これは、聞いた話ですが説得力があるのでお伝えします。
消費収支計算書は、収支を考えた計算書なので、現金の支出を伴う記載科目は「○○費」、現金の支出を伴わない支出項目には、「○○額」の字をつけました。つまり、現金の支出を伴わない計算額なので減価償却額と言っています。そう言えば、徴収不能引当金繰入額も現金の支出を伴わない計算額なので「○○費」でなく「○○額」となっています。