2007年06月25日
【15条】消費収支計算の目的
こんにちは! 今日から、「第3章 消費収支計算及び消費収支計算書」から消費収支計算書です。まず、第15条(消費収支計算の目的)の本文をみて見ましょう。
第15条(消費収支計算の目的)
学校法人は、毎会計年度、当該会計年度の消費収入及び消費支出の内容及び均衡の状態を明らかにするため、消費収支計算を行うものとする。
【解説】
1.本条の趣旨
本条は、消費収支計算の自的を示した規定です。
2.消費収支計算書の目的
資金収支計算は、学校法人の1年間の活動の全体を資金の動きでとらえることができる点ですぐれた働きがありました。しかしながら、資金収支の中には、借入金収入や、前受金、未払金等の要素が包含されているため、資金収支の均衡がすなわち学校法人の財政の健全性、安定性を示すものではありませんでした。そこで、学校法人の永統的な維持と発展とに役立たせるための会計資料を整えるために消費収支計算を行なうこととしました。
具体的には、消費収支計算の目的は、単年度の消費収入と消費支出の内容を明らかにするのみならず、消費支出とこれに充当し得る消費収入の均衡の有無を明らかにして、将来にわたる計画的な財政運営を可能ならしめることにありました。
3.消費収支計算書の特徴
学校法人会計の消費収支計算書で特徴的なことは、収支均衡主義です。収支均衡主義とは、学校に入ってきた収入は、すべて消費支出という形で園児・生徒・学生に還元し、収支を均衡させることと言います。ただ、経営的には、毎年度の収支均衡は少し非現実的で、収支は多少プラスの形で学校運営をすることが望ましいと考えられます。
学校会計では、消費収支の差額がプラスで極端に多い場合は、園児・生徒・学生への還元が少ないと見られてしまいます。そうかといって毎年、消費収支がマイナスでは将来の学校運営が不安になり、教育研究のための永続的な組織が維持できなくなってしまいます。毎年、消費収支がマイナスになるような経営だと、人件費、修繕工事代、設備代など学校経営に必要な支払いがいつかはできなくなってしまい教育研究活動の永続性が保てないからです。