2005年09月12日
【基本金】第4号基本金の意義および算定方法
<Q>第4号基本金として、「恒常的に保持すべき資金として別に文部大臣の定める額」を組み入れることとなっていますが、「恒常的に保持すべき資金」とは、具体的に何を意味しているのですか?
また、「文部大臣の定める額」の算定基準はどのようになっているのですか?
<A>
1.第4号基本金の意義
「学校法入会計基準」第30条第1項第4号で基本金対象資産として規定されている「恒常的に保持すべき資金」とは、学校法人の運営を円滑に行うための常時かつ継続的に保持すべき一定額の運転資金のことです。
昭和62年の同基準改正前は、「恒常的に保持すべき支払資金」として規定されていまいた。支払資金と言うのは、「現金及びいつでも引き出すことができる預貯金」(同基準第6条)を意味しているのですが、同基準の改正により「資金」と改まったことからここでは、現金・預貯金以外の金融資産を含むものと理解されています。
しかし、金融資産といっても運転資金としての性格から、いつでも支払資金として用意できることおよび元本を割ることのないように確実に運用される資金であることが求められています。
2.算定方法
算定方法については、従前、「学校法入会計基準の実施について」(昭和45年12月1日学校法人財務基準調査研究会)において、「既往1年間における支払資金の平均有高を基礎として行う」として各学校法人の自主的な判断に任されていました。
しかし、その計算方法も様々であり、各々の学校法人の理解に差異が生じてもいたことから、今回の同基準改正により「文部大臣の定める額」として次のような「恒常的に保持すべき資金の額について」、(昭和62年8月31日文部大臣裁定文高法第224号)が定められました。
3.原則的方法
経常的な消費支出の1カ月分を第4号基本金として保持すべき資金と定めています。具体的な計算については、前年度の消費収支計算書から人件費、教育研究経費、管理経費および借入金等利息の合計額(ただし、退職給与引当金繰入額または退職金および減価償却額を除く。)を12で除した額です。
4.特例
なお、この計算については、特例が措置されています。
ア.原則的方法により計算した額が、前年度の第4号基本金の額を下回る場合は、減額修正をすることなく、前年度の第4号基本金の額をもって当年度の第4号基本金の額とします。
イ.原則的方法により計算した額が、前年度の第4号基本金の額の100/100から120/100の間にある場合は、追加の組入れを行うことなく、前年度の第4号基本金の額をもって当年度の第4号基本金の額とすることができます。
(出典:「学校法人の経営に関する実務問答集」Q243・2003)
【改正基準対応記事】(H29.4.5加筆)